プロローグ
初めまして! そうでない方はご無沙汰です!
新作小説、投稿開始しました。今回はSFものです!
第二次世界大戦から100年後、世界は新たなネットワークが普及していた。後にこれが、新たな世界大戦の発端となると知らずに、人々は仮初の平和な日々を過ごしていた。
2045年。新たなネットワークが普及してから数十年の時が経ち、人々はより不自由なく生活していた。スマートフォンやパソコン、あらゆる電子機器が、飛躍的に最適化され、今では幼児までが所有するまでになった。
そんな新たなネットワークのことを、人は『電脳世界』と呼んだ。何故なら、生まれつき人々には、『アバター』と呼ばれるもう1人の自分が存在していたのだ。アバターにダイブすることで、『電脳世界』に入り、世界中の人々と気楽に交流できる時代だ。
言わば、グローバル社会の全盛と言えるだろう。全てがネットワークで完結し、『電脳世界』無しでは生活ができない日常なのだ。
しかし、それらとは別の存在もいる。私、草薙美羽は側から見れば普通の女子高生だ。しかし今は違う。
「そっち。ウィルスが逃げるわよ」
ゲームでいうモンスターのような姿をしているもの、通称『ウィルス』が、街の中で暴れている。その影響からか、周囲の電子機器に悪影響を及ばしている。私はそれをハンドガンを持ちながら追跡している所だ。
『今そっちに向かってるわ! 距離はどれぐらい?』
「200mよ。香里奈もアリスも向かってるわ」
『なら、先に仕留めておくわ、ね!』
仲間の無線と共に、爆風が聞こえる。すると、追跡していたウィルスに槍のようなものが突き刺さり、そのまま消滅していった。
「これで2体目。今は私のほうが一点リードかしら?」
「美生。相変わらず早いわね。でも、まだ残っているみたい」
私と美生は合流し、ウィルスの掃討を再開する。すると、後ろから人の気配を感じ、振り向く。
「数え直せ。同点だろうが?」
「まぁ、私の方が1つ多いけどね。それで? どうするの?」
香里奈とアリスが合流する。そして私たちは空を見上げる。
「どうやら、あれが本体らしいな」
「そうね。ねぇ? 誰があいつを倒すか競争しない?」
香里奈と美生は上空に浮かぶ異形な群れ、『ウィルス』に視線を向ける。そして、2人は『ウィルス』を目掛けて突撃する。
「悪りぃな! 一番槍は私のモンだぜ!」
「待ちなさい! 私が一番なんだから!」
美生と香里奈は、競うように『ウィルス』の群れを攻撃する。私とアリスも、2人の後を追うように『ウィルス』の群れに向かう。
「思った以上に多いわね。こうなると、発信元は犯罪ハッカー集団か、軍隊と言ったところかしら?」
「それに、どれも攻撃性のものだね。早く排除にしないと、この辺一帯が乗っ取られるかも」
私とアリスも『ウィルス』の群れに攻撃する。アリスは2丁のハンドガンと浮遊するシールドで、『ウィルス』の群れを殲滅する。私もウェポンで、『ウィルス』の群れを斬る。
「しかしまぁ、少々多いわね」
「なら、一気に片をつけた方がいいね!」
アリスは、シールドを両手首に装着する。そして、ドレスのような腰のユニットを展開する。そして、こめかみのゴーグルを装着する。
「『ギリシア・コード【Ξ】。殲滅形態』!」
展開された腰のユニットから、ミサイルは放出し、手首の盾からガドリングを乱射する。すると、『ウィルス』の大群を一気に殲滅する。それによってできた穴に向けて、私は一気に移動する。そして、美生と香里奈と合流する。
「2人とも、無事?」
「あぁ、当然だ! アリスはいいのか?」
「あれは1人で充分よ。それで、状況は?」
「あれが親玉みたいね。どうする?」
香里奈と美生は、私の指示を待っている。どうやら、あの球体みたいなものが、『ウィルス』の本体のようだ。
「香里奈は外壁をお願い。美生はあの触手を消して。そして私は、あのコアを斬るわ」
私と美生と香里奈の三人は、『ウィルス』の本体を攻撃する。美生は槍を回転させると、青い電流を展開する。
「『ギリシア・コード【Ζ】』! さぁ、行くわよ!」
美生の目に留まらぬ速さの突きが、『ウィルス』の触手を貫く。帯電する青い電気が、彼女の速さを促進させ、神速の如く貫き通す。その間に、香里奈の炎が『ウィルス』の外壁を燃やし始める。
「『ギリシアコード【κ】』。太陽の神の炎に焼かれな!」
香里奈のウェポンが、『ウィルス』の外壁を焼き尽くす。熱により溶け出した外壁から、『ウィルス』の中核、コアが露出し始める。だが、『ウィルス』は瞬時に外壁の修復を開始する。
「させるかよ!」っと香里奈はウェポンを合体させ、毛先の色も白に変色させる。
「『ギリシアコード【Λ】』! 凍り付かせてやるぜ!」
氷の息吹によって、外壁の修復が阻害させる。それと同時に『ウィルス』が機能を停止する。
「後は私がやるわ」
私は二丁の銃を構え、『ウィルス』に向かって突撃する。すると、『ウィルス』の触手が私に向かって攻撃をする。私はそれに対して、二丁の銃で撃ち抜く。そして、触手は一丁六発の銃撃によって朽ち果てた。
「『ギリシアコード【β】。モード【ガンスリンガー】』。やはり、こういう相手には近接銃撃が有効ね」
「悠長に言ってる場合じゃねぇぞ。早くしないと、氷の拘束が解けちまうぜ」
香里奈の言う通り、硬直が解け始めている。私は瞬時に形態を切り替える。
「『ギリシアコード【γ】。モード【パニッシュメント】』。一撃で粉砕する」
モーターを纏ったグローブで、閉じつつある外壁を殴る。すると、纏いつつあった外壁が、一瞬で破壊された。
「これで、終わりよ!」
大振りの太刀を構え、剥き出しになったコアに向けて斬りかかる。そして、無数の剣によって『ウィルス』が散り散りとなった。
「『ギリシアコード【α】。モード【ブレイドダンサー】』。私の動きと共に、無数の剣が敵を追撃する」
「もう、自分が一番滅茶苦茶なんだから」
二人は呆れながら私を見る。すると、孤軍奮闘していたアリスが合流する。
「なんだ、もう終わってたんだ。私の分も残してくれてもいいのに」
「あなたは充分暴れたでしょう? それより、ミッション完了よ」
私達はミッションを終わらせ、元いた場所に帰還する。かくして、私たちは『元の姿』に戻るのだった。
こうした背景には、今から2ヶ月も前に遡ることになる。
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