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第9話
この200年後の世界で、当たり前になっている技術の数多くがこのころに作られ、その基礎特許が俺が作ったものなのだという。
だからこそ俺は偉人として数多くの本に記されるほどのものになっているということのようだが……
「いやぁ、無理でしょう……」
今軽く、その解説書というものを眺めてみたものの、物理や数学がこれでもかと言わんばかりに詰め込まれている。
1分も見ていれば、頭が認識を拒否するほどだった。
「どういうことだよ、これ全部俺がここで覚えて帰るってのは無理だぞ」
いったんパソコンを閉じ、外をぼんやりと眺めはじめた。




