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無欲であれ  作者: ぽちの
4/6

初めの一歩

目を開けると、まわりは全て、花と川で囲まれていた。多分ここは、三途の川なのだろう。ここを渡れば楽になれるのか、など思っていると、なにか音が聞こえてきた。それもだんだん近づいてくる。


「た...なた....そなたよ。生きるためには無欲でありなさい。無欲と言っても生きるのを諦めるのはやめなさい。そうすれば最後、良い事があるでしょう。かならず生きていきなさい」


そう言われたあと、パッと全てが無くなっていた。

起き上がり辺りを見渡す。やはり、ベットとトイレしかない部屋に戻されていた。だが、1つ違いがあった。

そこにはまだ、中性的な人が残っていた。その人は口を開く。


「やっと目を覚ましたか。あたいの言葉分かるか?あんた、よく分からない言葉を話していたからな。ちょいと、頭の中を変えさせてもらったよ。」


私は呆然とした。頭が治っている。しかも血だらけでは無い。そして、言葉がわかると分かったとき、涙が溢れてきた。わかる。言葉がわかる。

言葉がわかる、わからないだけでこんなにも違うものかと、痛感した。ごめん、神様?小さなことだけど無欲であるというのは、守れない。心の中には話したいという欲があった。


「あぁ、伝わる。そしてありがとう。通じるようにしてくれて」


涙が止まらない。


「と、とりあえず、あまり泣くな。あたいがリーダーに怒られちまう。そういえば、まだ、なんだって?私は、遠慮しとくが..まぁ、頑張れよ?」


そうだった。この人の前で発言したんだった。と言ってもめちゃくちゃ恥ずかしいという訳でもなかった。疲れてるのもあるが。


「私の仲間はどうした?1人いるのだか」


洋介のことを思い出し聞いてみる。


「あぁ、あのうるさいヤツね。あんたと同じような部屋で過ごしているよ。」


「そうか。とりあえず良かった」


安心して腰が抜けそうになる。


「まだ名前を言ってなかったね。あたいは、ミシスト・マイネミ。こう見えて、一人前の冒険者であり、この世で珍しい魔法使いでもあるのさ」


ミシストは、ドヤっとしている。


「私は、宗 英人。ただの一般人だ。よろしく」


「よろしくな」


ミシストと握手をかわすと、実感がでてきた。

ようやくこの世界からの第1歩って感じがした。




「あっ!先輩!良かったです。無事で」


「なんとかな」


頭をえぐられたことを思い出す。たしかにあれは、想像を絶する痛みだった。洋介はなにかされなかったか聞いてみたが...


「いや〜なんか手を頭にかざされたあとに光が出てきたんですよ。そしたらなんと、この世界の言葉が話せるようになったんですよ!」


ふざけんなという気持ちが少しあったが、それほどの気力は残っていなかった。


「お前は気楽でいいよな」


そう言うと、洋介はキョトンとした顔をしている。


「なんでですか?何かおかしいことでもありましたか?」


なんでもないよと言いながら、薄暗い家から、外へ出た。


「来たな、お前たち。今日ももう日が暮れそうな時間だし、服だけ買いに行くぞ」


笑みを隠しきれていないミシストが言った。多分、背丈が問題で部下とかがいなく、こういう集団で買い物が出来なかったとかであろう。

それに応えるように、洋介が笑顔で、


「よろしくお願いします!!」


と言っていた。


読んでいただきありがとうございます。

引き続き頑張ります。

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