表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【アニメ10月放送開始!】世界最強の魔女、始めました 〜私だけ『攻略サイト』を見れる世界で自由に生きます〜(Web版)  作者: 坂木持丸
第11章 地底王国に行ってみた

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
113/164

112話 魔人と戦ってみた

※2025-07-15 展開を一部修正しました。


 地底王国ドンゴワの前で、ドワーフたちに見送られるローナ。

 そこに、制止の声がかけられた。


『……なに、めでたしめでたしみたいな空気になっているのだ? 貴様らは大切なことを忘れていないか?』


「え? 忘れてるって、なにを……」


「わふ? まったく思い当たることはないけど……」


 そう言いながら、ローナたちが声の主のほうをふり返ると。

 そこには、ぷるぷると震えながら仁王立ちしている溶岩魔人ラーヴァデーモンの姿があった。



『――我が……我が待ってるだろうがァアアアッ!!』



(((――忘れてた!?)))


 そういえば、溶岩魔人と戦う感じの空気になっていたが……。


 『大人しく待っててくれるし、あとでいっか!』とか思っているうちに、パーティーが盛り上がってしまい、すっかりローナたちの頭から抜け落ちてしまっており……。



『一晩も待たせられたうえに、忘れられるとは思わなかったぞォオオオッ!』



(((……ご、ごもっとも)))


 なにも言い返せないローナたちであった。


『ぐごご……この溶岩魔人ラーヴァデーモンもナメられたものだ。しかし、我の“真の姿”を見たあとでも、その余裕を保っていられるかな――』



「――あっ、みなさん気をつけてください! 溶岩魔人さんはここから魔法を弾く金属“ニコニ鋼”の鎧をまとって、この画像の姿に――“溶岩魔人(グレート)”に変身するらしいです!」



『…………………………』


 先に全部言われてしまったあげくに、変身後の姿までネタバレされてしまった溶岩魔人であった。



「な、なぁ、ローナの姐御に挑みやがるなんて無謀すぎるんじゃ……」

故郷(くに)へ帰るんだな。お前にも家族がいるだろう……」

「……謝ろ? な? ほら、オレたちも一緒に謝ってやるからさ……」



『――ま……まだわからないだろォオッ!』


 溶岩魔人はそう叫びながら、周囲のマグマを吸収するようにその身にまとい始めた。


 そして、マグマと煙が晴れたとき。

 そこに立っていたのは、先ほどまでの溶岩魔人ではなかった。

 体は一段と大きくなり、黒光りする金属の装甲をまとった溶岩の巨人――。


『……ごごぼっ! ごぼぼぼ! 見よ、我はこの火山でさらなる力を得たッ! そう、魔法を弾く金属“ニコニ鋼”の鎧だ! 今の我は、もうただの溶岩魔人ではない――溶岩魔人(グレート)だぁァアッ!」



「「「…………知ってる」」」



 さっき、ローナが言っていたやつだった。


『さ、さらに、それだけではないッ! 今の我には最強の“戦法”がある。その名も――』



「――あっ、みなさん気をつけてください! 溶岩魔人さんは攻撃が届かない距離から、鎧で身を守りながら毒液を吐いて、ダメージを受けたら周囲の溶岩を食べてすぐに回復する戦法――“どくまも戦法”をしてくるそうです!」



『……………………』


 なんかもう、全部言われてしまった溶岩魔人であった。


『だ、だが……しかしッ! 知られたところで、この“どくまも戦法”の対策は不可能ッ!』


 溶岩魔人は、だん――ッ! と、大きくジャンプをして洞窟の壁に張りつくと。

 カサカサカサカサカサ……ッ! と、壁を這いまわりながら、びゅっ! びゅっ! と、紫色の毒液を吐いてきた。


「うわっ、きたなっ!?」


『ごごぼっ! ごぼぼぼ! どうだッ、なすすべもないだろうッ! これが我が考えた最強の戦法――“どくまも戦法”だぁァアッ!』


「おい、溶岩で戦えよ」


 以前、エリミナに敗北したことで、ちょっと“溶岩”への自信が揺らいでいた溶岩魔人であった。

 とはいえ、なんだかんだで強力な戦術であることには変わりなく。


『びゅっ! びゅっ!』


「く、くそぉっ! オレたちの火山の壁や天井を、好きに這いまわりやがって……っ!」

「逃げるな、卑怯者ぉっ!」

「汚いな……さすが溶岩魔人きたない……」


『ごぼぼぼッ! なんとでも言うがよいッ! しょせん、この世は勝ったもん勝ちなのだッ! さあ、そのまま毒でじわじわとなぶり殺されるがよ――』


 と、言いかけたところで、溶岩魔人は気づく。



「装備変更――女王薔薇の冠!」」



 なぜか、噴射した全ての毒液が、ひとりの少女――ローナへと吸い寄せられていることに。

 そして、なぜか毒液がローナに当たる直前に、見えない壁に弾かれたように消滅していることに。


「あっ、念のため、みなさんもこの“身代わり人形”を持っていてください。これを持っていれば、毒は効かないので」


『…………え?』


 そう、溶岩魔人の毒液は、ただの状態異常攻撃でしかない。

 そして、ただの状態異常攻撃ならば――かつてザリチェと戦ったときと同じく、“身代わり人形”を持っているだけで無効化できるのだ。


 それから、ローナは光の翼を生やすと。

 ばしゅ――ッ! と、頭上にいる溶岩魔人のもとへと一気に接近した。


「こんにちはー」


『な……なァッ!?』


 毒の無効化に加えて、“遠距離”というアドバンテージの消滅。

 “どくまも戦法”を完全に潰された溶岩魔人には、もはやなすすべはなく……。


 ゆえに――ここから先は、ずっとローナのターンだった。


「うん、溶岩魔人さんは魔法耐性があるみたいだし……ここは、このスキルの出番だね!」


 そう言って、ローナは溶岩魔人へと杖を向ける。


『ご……ごぼぼぼぼッ! な、なんだ、魔法かァ? 無駄だ、魔法は効かぬと言っ――』


「あ、いえ、魔法ではありません」


『…………ひょ?』



「それじゃあ、いきます――エンチャント・ウィング!』



 ローナがそのスキル名を唱えた瞬間――。


『……ご、ごぼォッ!?』


 ふわり――と、壁から引き剥がされるように、空中に浮かび上がる溶岩魔人。

 その背には、いつの間にか、神々しい光の翼が生えていた。


『な、なんだこれは……ッ!? う、動けな――っ!? しかも、視界が回って……ぎぼぢわるっ!?』


 溶岩魔人がじたばたと空中でもがくが……。

 しかし、もがけばもがくほど、ぐるんぐるん――と空中で回転してしまい、溶岩魔人の顔が心なしか青くなっていく。


「あ、あはは……最初は思うように動けないですよね。神様たちも『操作性がクソすぎる』ってよく怒ってますし、私もしばらく練習しないといけなかったので」


 そう、これは終末竜衣ラグナローブの装備スキル【エンチャント・ウィング】の力だ。

 このスキルの効果は――。



 ――『()()に【翼状態】を付与する』



 それは、ローナ自身にしか使えないスキルというわけでもなく……。

 また、その使い道も『空を飛ぶこと』だけではない。


 ローナは空中でまともに身動きが取れない溶岩魔人へと、とどめを刺すように杖を向けた。



「とりあえず、もう悪さができないように――星命吸収(テラ・ドレイン)! 星命吸収(テラ・ドレイン)! 星命吸収(テラ・ドレイン)!」



『ま、待てッ……なにをすqあwせdrftgyふじこlp――ッ!?』


 空中にいる溶岩魔人を、一方的にいたぶるローナ。


 翼状態はあくまで“強化技(バフ)”であるため、魔法耐性に優れた今の溶岩魔人に耐性はなく。

 さらに空中ではガードすることも、溶岩を食べて回復することも、マグマにもぐって逃げることもできず……。


「――星命吸収(テラ・ドレイン)! 星命吸収(テラ・ドレイン)! 星命吸収(テラ・ドレイン)!」


『ご……ごぼぉォオ――ッ!? や、やめッ――あッあぁああぁあァアア――ッ!?』


 地底に響きわたる溶岩魔人の悲鳴。


 それは、つい最近までドワーフたちを異変で苦しめていた元凶であり……さらには、Aランク装備持ちのドワーフたちを、まとめて蹴散らしたほどの強敵だったが。


 そんな溶岩魔人が一方的になぶられている光景を前に、ドワーフたちは――。



「「「…………知ってた」」」



 だんだん、ローナという存在に慣れてきたドワーフたちであった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『世界最強の魔女』アニメ10月放送開始!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼アニメ公式サイト↓
i595023

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『世界最強の魔女』5/8、漫画12巻発売!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼漫画ページはこちら↓
i595023i595023

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『ラスボス、やめてみた』漫画7巻発売!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼漫画ページはこちら↓
i595023

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『時魔術士』漫画3巻発売!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼漫画ページはこちら↓
i595023

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『レベルアップ』漫画5巻発売!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼漫画ページはこちら↓
i595023

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『装備枠ゼロの最強剣士』漫画7巻発売!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼漫画ページはこちら↓
i595023
― 新着の感想 ―
[良い点] こんにちはーっ!
[良い点] おおそうか…翼付与って強化だから抵抗されず他者にかけられるんだな 普段空を飛ばない奴が飛べば… 素人が操作するマリオ64の羽マリオがごとくだな [一言] くにへ かえるんだな
[一言] ほのお、はがねタイプで壁に張り付くってどこのヒードランだよ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ