おやすみなさい
あぁ、どこか遠くであなたが私を呼ぶ声が聞こえる
今宵は夏の月が静かに歌う夜だから、あなたは歌っているのかしら?
それとも草木が静かにざわめいているから、あなたは小さく囁いているの?
それか、湖畔の星がゆらゆらと波立っているから?
だからあなたの声もそんなに悲しそうに震えているの?
あぁ、また、あなたの声は私を呼んでいる
もう夜も遅いのに
夏の月は眠りだしたわ
草木の音は寝息に変わって、湖畔の月は瞼を閉じた
あなたの声はまだ聞こえる
でももう周りはみんな静かよ
月も草木も湖畔の星も、みんな静かにしているの
おやすみなさいの時間だわ
太陽が一番遠い時間よ
もう呼ばないで、おやすみなさい
私はそこにはいないから
星のように瞼を閉じて、草木のように寝息を立てて、月のように眠るのよ
おやすみなさい、大切な人
_____あぁ、今もまた、あなたが私を呼ぶ声が聞こえる
おやすみなさい、大切な人