どこまでもどこかへ
人生という一直線上に
僕は満遍なく心を傾けた
これからどうしようか
これまでどうしてきただろうか
幾度となく繰り返す問い
夏の冷たい床の上
ゆっくりと体温を奪っていく
そのうち釣り合い
床と溶け合う
髪を梳かす風
涼しいとは言い難い
夕日が僕の服に柄を写す
それがまるで格子のようで
まだ青年である事を自覚する
今日も特になにも無いだろう
明日もたぶんなにも無い
だって昨日もなんにも無かった
遠方への不安は
明日の活力にはならず
近しい不安は
憂鬱にしかならない
でも僕の内に逃亡している
答えのないと分かる問いを
何度も何度も
次第に不安は僕から漏れ出て
部屋の中に充満する
そして散歩という名の
束の間の逃亡を試みる
行く宛てもなく放浪し
ふらふらと歩いてみて
先にもまして日が沈みそうになると
理性が僕を家に連れていく
帰るとご飯があって
それに絶望しながら残さず食べて
僕は僕に逃げる
すっかり夜の空気に身を浸し
また天井を見つめる
風鈴が冷澄な響きで風を伝え
数瞬後に風に頬を撫でられる
やっぱり今日も何も無かった
多分ずっとなにも無い