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打ち上げ I 写真

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とても嬉しいです。

ありがとうございます。

 

 打ち上げの行われるお店に入ると既に大勢が集まっていた。

 そして入店と同時に声をかけられた。

「主役が来た!」

「遅いよ、二人ともー」

「お疲れ様!」

 口々に声をかけられ、驚いていると頭の上に何か乗せられた。

 陽夜の頭の上にも乗せられていたので見てみると、花の冠が乗せられていた。

「花の冠、可愛いね。似合ってるよ」

「花の冠だったんだ!葵のティアラも似合ってるよ」

「ありがとう」

 私にはティアラが乗せられているらしい。きっと劇で使ったものと同じものだろう。

 落ちて壊れたらどうしよう。などと考えていると、四宮くんがみんなに押されて前に出てきた。

 四宮くんの頭の上には王冠が乗っていた。似合っているとしか言いようがなかった。王冠は四宮くんのために作られたものかと錯覚してしまうほどだった。

「二人とも遅くまでお疲れ様」

「四宮くんもお疲れ!」

「お疲れ様」

 四宮くんに声をかけられ、陽夜との三人で話しているとクラスの人に声をかけられた。

「話している途中にごめんね。三人の写真を撮りたいんだけど、良いかな?」

「大丈夫です」

「私も大丈夫だよ!」

「俺も大丈夫。横に並べば良いかな?」

 四宮くんがそう言うとカメラを持ち、話しかけてきた子は少し興奮した様子で頷いた。

 一人だけがカメラを構えていると思っていたが、いつの間にかほとんどの人が構え、写真を撮っていた。

 人の写真を何に使うのだろう。

「井上くんも入って!」

「何で僕も?委員をやっていなかったと思うのだけど」

「良いから!」

 押されて前に出てきた井上くんは、渋々四宮くんの隣に並ぶ。

「これでうちのクラスの顔の良いトップ2が揃ったね」

「クラスというより学年、学校でのという感じがするけどね」

「確かに!」

 勝手にキャッキャと騒がれているが、間違いなく「私」は場違いだと思う。

 四宮くんに井上くん。この二人は間違いなく学校で一位、二位を占領し、三位以下を寄せ付けないほどのかっこよさだ。

 陽夜は学校の中で一番可愛いと言っても過言ではない。他の人の顔は意識して見たことがないが、贔屓目無しでダントツで可愛いと言える。

 性格も良いので、ファンクラブが出来たのは自然な流れだと思う。

 そんな三人の隣に私が並べると思わない。三人のように一目惚れさせたり一言話しただけでシーンとさせるということは出来ない。

 しかし、一般的な見た目だからか、普段から目立たないで過ごせているのは嬉しい。

 陽夜が「似合っている」「綺麗」などと言ってくるのはお世辞に過ぎない。そんなことを本気にしてしまうほど人と話さない訳ではない。

「だいぶ撮れたからもう大丈夫だよ!四人ともありがとう」

 撮り始めた子がそう言うと、周りも撮るのをやめた。

 そして各自飲み物を手に持ち、合図で乾杯をした。

「四宮と四宮さんの一位、村雨さんの二位を祝して乾杯」

「「「乾杯!」」」



 打ち上げが始まり一時間半ほど経った頃、陽夜が周りを見渡した。

「どうしたの?飲み物が届かなかった?」

 そう聞くが、陽夜のコップにはまだ飲み物が入っている。飲み物が欲しかったのではなかったのだろうか。

「違う、みんなまだお腹に余裕があればお皿とかもらおうかなと思って」

 そういえばと思い出す。

 お店に来る前に洋菓子店でケーキもらっていたのだ。

 お金は陽夜のコンテストの二位の賞品の『ホールケーキ 引き換え券』から出した。

 女装の部の二位がおらず(四宮くんが全票獲得したため、その他全員が二位になった)男装、女装の部、それぞれの二位の賞品を合わせて、ホールケーキ五個分の引き換え券が陽夜の手元に入ったからだ。

「じゃあお皿とフォーク、もらってくるよ」

「ありがとう」

 そっと席を立ち、近くにいた店員さんに声をかける。

 ここのお店はとあるクラスの子の家で営業しているので、クラスメイトの父親に聞いたという方が正しいかもしれない。

 お皿とフォークを借りられるか尋ねると人数分出してくれた。

「包丁も使う?」

「お借りしても良いですか?」

「じゃあ置いとくね」

 そう言い、包丁とキッチンペーパーを何枚か用意してくれた。包丁にクリームが付いたままだと断面が綺麗にならないので、キッチンペーパーがあるのはとてもありがたい。

 このまま切ってしまっても良いが、陽夜に一応確認をしておく。

「陽夜、もう切っちゃって良い?」

「大丈夫!何から何までありがとう。お皿を並べるくらいしか出来ないけど手伝うね」

 主人に手伝わせるのもどうかと思うが、せっかくの好意なので受け取っておく。

 打ち上げに参加しているのは三十四人。お店を使わせてもらっているので店員さんにも一切れ、全部で三十五個に分ければピッタリ切ることが出来そうだ。

 一つ一つ丁寧に切る。散々練習という名の訓練をしたので、ケーキは等しく切ることができる。

 ミリ単位で注意される訓練を思い出し、思わず苦笑いしてしまった。訓練に使うケーキも毎回自分で作っていたので、ケーキ作りには自信がある。これは水谷さんのお墨付きでもある。

 訓練時のことを思い出し、緩めてしまった頰を引き締める。客観的に見たら、ケーキを切りながら一人で笑っている状況からして、おかしい人になってしまっているだろう。

 やはりポーカーフェイスは出来るようになりたい。



最後まで読んでいただきありがとうございます。

打ち上げはもう少し続く予定です。

次回もまた読んでいただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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