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アメコミ風 南総里見八犬伝説  作者: 淀川馬琴
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大阪梅地下編5

鬼とのにらみ合いは5秒程度だっただろうか。

鬼は体が大きすぎるのか、建物には入ってこようとしないのだ。


その時パトカーが後ろから、猛スピードで鬼に迫っているのが見えた。

だれが運転していたのか勇敢なことだ。


「うおおおおお」

犬神は大声を出しながら小太刀を取り出した。

鬼の気をそらす援護のつもりだったが、

ふと目に入るものがあった。


先ほど共闘した警察官の拳銃である。

手に取って乱射した。


鬼はしゃがんでのぞき込む窮屈な姿勢を嫌ってか、

後ろに下がる。


良いタイミングでパトカーが鬼に激突し、そのまま警察署1Fに突っ込んできた。

どんっとフロア中央で勢いが止まる。


騒音に様子を見に来た婦警さんと伏姫が階段途中からこちらを見ていた。


鬼はダメージを受けていたのか、

ゆっくりとうつぶせになり、四つん這いになって伏姫に近づこうとし始める。


犬神はとっさに鬼の足指の付け根めがけて小太刀を突き立てる。

鬼が痛みに暴れて、犬神を蹴ってきたが、かろうじてかわし、距離をとった。


ダメージが通る。しかし致命傷にはほど遠い。


鬼は側に落ちている金棒を拾った。

途端に鬼の切り傷がふさがっていく。

まさに鬼に金棒。


「おい、これを使え」

パトカーから血みどろの男が鞘に収まった日本刀を投げよこした。

地下で見た、だんだら模様の羽織男だった。


犬神は刀を抜くと婦警と鬼の間に立ちふさがる。


鬼が金棒を横に振るう。

鬼の体躯では署内は狭いため、必然的な攻撃。

犬神は下がる。

紙一重で躱した後、素早く間合いに入り金棒を持つ手を切りつけた。


鬼は右手に持っていた金棒を左手に持ち替える。

犬神がその隙をついてさらに切り込んだ。

しかし今度は鬼が下がって、壁をぶち破り外へでた。


犬神は間合いが開くのを嫌い、追い立てる。


鬼は逃げ腰で、傷も癒えていないように見えた。

確かに金棒を持っているのに。


間合いを詰める動きが日々鍛錬している剣術の型にリンクする。


鬼が立ち上がりざま金棒を振るう。

犬神が前進を緩めるだけで空振りさせたが、鬼が健脚でさらに下がった。


なぜか辺りに霧が立ち込め始める。


鬼はそのまま恐ろしいスピードで逃げて行った。

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