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アメコミ風 南総里見八犬伝説  作者: 淀川馬琴
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大阪梅地下編4

結果的に、

人間が誰もいなくなった地下街は生き残りの河童が徘徊する本物の迷宮となった。


河童は人を食って卵を産む。


河童は地下鉄路線をも利用し、各駅の駅員、警備員を犠牲にして、

その晩の内に数を大幅に増やした。


一方で河童は地下街から出てきて暴れている者もいる。


警察は地上にあふれた河童への対応でその晩は手一杯だった。

すぐに自衛隊が応援に来て全滅させる事となったが、

それでも地下までは手が回らず、各駅を封鎖するのがやっとで、

こう着状態となる。


妖怪との戦いはまだ始まったばかり、、、



曽根崎警察に第一報を入れた犬神真人は赤ちゃんを捨て子として、

そのまま警察に引き取ってもらうつもりだった。

簡単な聴取の後、婦警さんに赤ちゃんを預け、

さよならを言って警察署の1Fまで来た。


1Fでは出動せずに一人残った警察官がいて、窓から外を見ている。


「鬼だ」

犬神も窓の外をみて驚いた。

身長3メートルほど、赤い肌、鬼のパンツ、金棒を持っている。

一体だけ。


鬼は河童に警察署に突入するよう指示しているようだった。

河童の数は2匹。

警察官と共闘するしかない。


「皿が弱点です。皿以外は銃も効きません。首が伸びたりします。」

犬神は一方的に説明し、警棒を右手に持った。


河童はすごい勢いで走ってくる。

警察署のガラス扉は体当たりでいとも簡単に砕け散った。


河童が二手に分かれる。犬神と警察官、タイマンを張るつもりだ。


犬神は地下で河童を倒した時と同じ構えで待った。

河童が警棒の間合いの外から首を伸ばす。


河童の頭がグルんと回った。

警棒が河童の頬骨を打っただけとなる。


犬神はそのまま距離を詰めて、コンパクトに警棒を振り落として、皿を割る。

河童の首が縮むのに合わせた動きとなったが、

元々一発で割れなかった時のことを考えていたから出来た動きだった。


一方で警察官は河童に組み倒されていた。

お互いに腕を絡ませていたが河童の首だけが伸びて、警察官の首をかみちぎる。


犬神は音もなく素早く近づく。

警察官が命がけで時間を稼いでくれていたので、

ぎりぎり噛みついている最中の河童の皿を割ることができた。


ふと外を見ると、鬼が無表情でまじまじとこちらを見ている。

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