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アメコミ風 南総里見八犬伝説  作者: 淀川馬琴
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大阪梅地下編2

河童の身長は150cmほど、

お馴染みの緑色の肌、頭頂部に皿、口は肉食の獣のような牙があった。

河童との距離は1m、河童は尋常ではない殺気を込めて赤ちゃんを見ている。


犬神はトイレから出て警備員を呼びたかったが、河童が出口を塞ぐ位置にいる。


河童に勝てるのか?

ニューヨークに人外が現れて以降、ずっと対人外戦を考えていた。

相手の力を利用するしかない。

無理なら逃げる。

しょせん人外には、人外でしか対処できない。


河童がしゃべった。

「赤子を渡せ」


「奪ってみろ」

犬神は剣術道場の教えにそって平静を装ったが、

内心は河童の殺気に怯えきっていた。


河童の首が素早く伸びて、ダイレクトに赤ちゃんに噛みついてきた。

その首に小太刀を下から切り上げる。最小限の動きで右に避けつつ、半身になって赤ちゃんを守る。

首は切れなかった。


攻撃は効かないが、見えないくらい素早い訳でもない。

ますますトイレから出て、警察官と共闘したい気持ちになった。


「助けてくれ」

犬神が叫んだが何の反応も無い。


河童が赤ちゃんめがけて飛び掛かる。

常に直接赤ちゃん狙いである。予想は出来ていた。

犬神は道場で会得した足さばきを使って、河童の下を潜る。

相手の胴切りにたいする無手での避け方だった。


そのままトイレを出る。


警察官はみな、他の河童達と戦っていた。

数の上でもかなり劣勢に見える。銃は当たっても効いていないようだった。


犬神は全力で走り始める。


河童を倒せる武器が必要だが、道場にある日本刀くらいしか思いつかない。

倒せる保証もないが。


迷宮よろしく、

必死で逃げようと走っていると河童が倒れていた。

頭の皿が割れている。

相打ちだったのか警察官も倒れている。


ずっと静かだった赤ちゃんが泣き始めた。警察官を見ながら。

犬神は走るのを止めて、小太刀を懐へ、警棒を右手に持った。


「河童の皿を割れ!」

他の警察官に聞こえるように大声で叫んだ。しかし返事があるわけではない。

まだ生存者が多く残っているうちに残りの河童を倒したかったが、時すでに遅く、

警察官は全員倒されていた。

赤ちゃんがさらに泣いている。


河童がこちらに気付いて襲い掛かってきた。数は三匹。


一番右の一匹目が飛び掛かってきた。

ほぼ同時のタイミングで二匹目、三匹目が首を伸ばしてくる。


だがすでにこちらから仕掛けていた。

にらみ合った状態で軽く姿勢を下げる動き。

相手が隙と思う動きだ。相手の攻撃タイミングを限定するための型。


飛び掛かってきた河童の皿を割る。


「面!」

思わず声が出たが、奇妙な事が起きていた。


皿を割った瞬間、時間の流れが遅くなり、

飛び掛かってきた河童の滞空時間が異常に長い。


首を伸ばした河童も止まって見える。

躊躇せずそれぞれの皿を割った。


赤ちゃんの泣き声は聞こえ続けている。


他の河童を探そうとした時、

時が流れ始めて、空中の河童が激しく地面に叩きつけられた。

赤ちゃんが泣きやんだ。

「だあ」

初投稿なので色々とご容赦ください。

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