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プロローグ1

2100年、その年は俺にとって運命の変わる物語。

そしてその運命は一気に変わるのではなく、次第に変わり出したのだ。


「おはよう聖也(せいや)


俺の名前を後ろから呼びつけたのは、幼稚園からの幼馴染の達也(たつや)だ。


「おはよう達也。 今日は早いんだな」


「まぁ、最近物騒な事件多いだろ。 心臓だけ抜き取られた死体がこの地域でも見つかったってさ! だからさ、親がみんなが登校してる時間に出て、みんなが下校する時間に帰れってうるさいんだよ」


達也のいう事件は昨年からずっと日本全土でずっと起こっていて、今月からこの地域でも死体が3人ほど見つかっていると言う。


「ふふっ、確かに達也の親うるさそうだもんな」


「うるささにも溜まったもんじゃねぇよ! そう言えば、ウチの親父今回のその事件の捜査当たる事になったらしくてさ、どうやら殺されているのは、魔術士ばっからしいぜ」


第三次世界大戦をもたらした、元凶。

俺や達也が習う授業の歴史ではそうなっている。


「まぁ、魔術士の家系の聖也は気をつける事だな」

「あぁそうだな」


そう魔術士の家系だから知ってる。

第三次世界大戦は魔術士が引き金では決してない。 人間が神の領域に踏み込もうとしたのが原因なんだと。


「じゃぁ、俺は一度中等部の方に行ってくるよ」


そう言い、達也は高等部へと向かい俺は義理の妹がいる中等部のへと向かう。


今の育ての親は、妹の家族で俺は拾われた立場の人間でいる。


俺の親は10年前に第三次世界大戦が起きた後の、第4次世界大戦が起こるまでの小規模な戦争により、死亡している。


魔術師と人間と悪魔の人種の、大規模な戦争だったらしい。


そして、そんな戦場で俺を拾ってくれたのが妹の父だ。


そんな妹のクラスの前に着いた俺は、教室を開ける。


「あっお兄ちゃん。 持ってきてくれたんだ」


「あぁ、今日の弁当はお前の大好物を詰め込んだお弁当だからな」


「えーそうなの! マジでありがとうねぇ」


俺が持っていた弁当を受け取り、妹のリーンはすぐに自分の席に戻る。


俺もその様子を見届けると、高等部の方へと足を進めて行く。


ここまで、何気ない日常でもあった。

ただこの日常は次第に壊れていく。

無くなってしまう。



「お兄ちゃんこれ取って」

殺人鬼もいることから、リーンと今日は珍しく帰る俺はゲーセンで、リーンの好きな魔法少女のぬいぐるみを取るのに必死だ。


「これ取ってって、言われてもな、今日の財布の中身は空になってしまったぞ」


聖也の財布の中は10円玉5枚と、1円玉8枚しか無くなっていた。


「リーン、明日な明日取ってやるからな」


そう言い、文句を言うリーンを引っ張りながら、ゲーセンを出て行こうとする聖也の前に、1人の大男がいる。


「横失礼します。 すみません」


そう言って、横を通り抜けようとする聖也に大男は真顔から笑いだす。

それはまるで、人を馬鹿にするような笑い方だ。


「感知も出来ない奴が参戦とはな。 今回は実にレベルの低い戦いだな。 まぁ貴様は下から二番目だから生かしておこう。 5日後地獄を見たくなければ、早く死ぬんだな少年」


大男はプリクラのコーナーへと、姿を消していった。


「やな感じの奴だね! 早く行こうお兄ちゃん」


そう言い、先程とは逆で俺がリーンに引っ張られる。


リーンも感じたんだ。 あの大男が放つ殺意が。


少し歩いたところで、引っ張り続けるリーンを止める。


「リーン、ちょっと待って」


「どうしたのお兄ちゃん」


「ちょっと忘れ物しちゃってさ、学校戻るから先に帰っといてくれるか? 」


「えっ、でも今この近くには殺人鬼が」


「大丈夫だから信じてお兄ちゃんを」



俺はそう言い、リーンの手を振りゲームセンターへと戻って行く。


ゲームセンターへと入ると、大男はちょうどプリクラコーナーから出て来たところだ。


「ほぉ、さっきの少年か。 何か忘れ物か? いいや違うな、この我に何か用事だな」


「俺が一体何者か知っているんだな? 」


「何だ質問か。 質問なら5つまでしか答えない」


「5つか、まぁ良い。 1つ目、俺の正体を知ってるんだな」


「あぁ分かるとも。 魔術士だということを。 そして先ほどの女は人間だとも」


「なら2つ目、お前は殺人鬼か」


「殺人鬼にはこれからなってゆくから、まだなっておらんぞ」


「魔術士を殺す殺人鬼について知っている事を」


「吸血鬼の仕業だろ。 奴もゲームを楽しむためなら、出場者の貴様の命は置いとくさ。 ただ気を付けた方がいいぞ。 今回の吸血鬼と人間サイドの3人のうち1人は、我と同等だからな」


まるで大男は、自分がまるで最強かのように自慢げな顔をする。


「親は死んだんだろ貴様」


「えっ、」


「死んだんだったら、何も聞かされていないはずだな。 まぁ、これで貴様の質問は終わりだろ。 どんだけカッコ悪くてもいい。 愛する者の為に行きたければ必至にラスト5日間頑張って生きろ。 そして少しは俺を愉しませるようになれ」


そう言い、大男はまたプリクラコーナーへと向かっていった。


そして大男が言った通り、あと5日で俺の物語は動きだしていく。






最後までプロローグ1読んでくださりありがとうございます。

またすぐにプロローグ2も公開するのでお待ちください!!


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