第1話 日常の終わり
単行本一冊分くらいを目処に書いていきたいと思います。
見てもらえると嬉しいです!
今日の授業がすべて終了し、担任が教壇たちホームルームを進める。
「今日は転校生を紹介します」
ざわ・・・ざわざわ・・・ざわざわ
誰だざわざわやってるのは?美少女転校生という噂から男どもは盛り上がってるみたいだな。
「おい、田中お前が噂広めたんだろ?相当のものじゃないとクラスの雰囲気悪くなるぞ」
近くにいる友人、田中 治に話しかける。こいつはなぜか情報を多く持っている。
「ああ、安心しろ。相当だ」
ニヤリと笑う。なんて自信なんだ…
「では、自己紹介をお願いします」
彼女が入った途端、教室の空気が変わった。男子はもちろん、女子たちまで息を呑んだ。
小柄でありながらも凛とした雰囲気を漂わせる美少女であった。
「みなさん、こんにちは、水無月 零です。これからよろしくおね…」
言葉が止まる。そして今、俺と目がバッチリあってる。
きっと気の所為だ。俺じゃない、よくある男の勘違いだ。だから、落ち着け俺の心臓。
すると、水無月さんは歩き出しとある男子生徒に突然抱きついた。
「やっと見つけた!直人くん!!」
おっと、自己紹介が遅れたな、なんで今するか察しは付いてるだろうが聞いてくれ。
俺は漫画の主人公とかに憧れる一般的な高校2年生、井上 直人だ。
うん、そうなの、この転校生と目があってたって気の所為じゃなかったみたい。
「まままま、待った!ひ、人違いじゃないかな!?」
周りの視線が痛いことと俺の心臓が限界に近いことを思い出した。
「え?ほんとに覚えてないの?」
女子からの視線まで厳しくなっちゃったよ、さてどうしようか。
「えっと、ご、ごめん、分からない」
だって、こんな可愛い子忘れるはずない
「・・・そ、そっか」
「ちょ、水無月さん!?」
水無月さん出ていっちゃったよ、先生も呼び止めたけどなりふり構わず走り去っていったよ。
「井上くん、今から先生と職員室に行きますよ」
「…は、はい」
周りの視線がめちゃくちゃ痛い、もう周り見れないよ!!
***
それから、先生にこっぴどく怒られた。そして、その後、水無月さんにも謝りに行ったが反応が悪かった。そんなに、俺の対応って悪かったですかね…
いや、確かに女の子と話すのは久しぶりではあったけど
さらに、女子に囲まれ精神的に追い詰められとっさに男子トイレに逃げたら次は男子から肉体的に追い詰められるし、なんか、いろいろもう大変だった。
それらもようやく終わり、俺は満身創痍で1人残された教室でだらっとしていた。
「大変だったなぁお前」
「他人事だと思いやがって、まぁそうだけど少しくらい助けてくれてもいいじゃねえか」
「羨ましい、妬ましい」
田中、怖いぞ、なんか黒いオーラ見えるぞ。
「そう思うなら変わってほしいぜ」
「だが断る!!!」
「なんでだ!?」
冗談交じりかと思ったが、田中の顔は真面目そのものだった。
「あいつには、あいつらには、お前が必要だ。お前以外では駄目だ」
「ん?どうしたんだよ、そもそも俺は初対面だし」
「いいや、お前とあいつは会っている。そして、お前はそれを思い出さなければならない」
田中は顔を伏せる。
「俺の出せるヒントはここまでだ。自分で思い出さなければならない」
「ますます意味がわからん。そもそも、その根拠はなんだ?」
「うーんそうだな」
田中は少し考えて、
「井上 直人を本気で心配する大親友、田中 治の言葉、でどうだ?」
驚いた。田中はこんなことを普段から言うようなやつじゃない。
「分かった。全面的に信じる。ただお前顔真っ赤だぞ」
その赤く染まった顔を見るとついつい笑みが溢れる。
「うるさいやい、まぁそろそろ帰るとすっか」
「そうだな」
それから2人は教室をあとにした。
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