絶望、そして新たな生へ
全く、この世界は狂気じみている。神という存在がいるならば、よっぽどの加虐趣味なのだろう。
そういうことをこの平和な日本で本気で言えてしまう程度には俺は恵まれていない。我輩は人である名前はまだない・・・というか知らない。父、母共に俺を産んですぐに死んでしまったらしい。事故死。この三語で片付く程度のあっけない死亡だったそうだ。親戚をたらい回しにされる毎日が続いた。物心のついた頃には施設に放り込まれていた。近年の少子化を微塵も感じさせない子供の飽和っぷり。えっちらおっちらやりすごし、ようやく足し算引き算ができるようになる頃には学校に行かせてもらえていることにすら感謝を覚えていた。
小学校、中学校共に隅でなにも言わず座っている、いわゆる陰キャであり友人と呼べる人間はいなかった。受験期はそれが役に立った唯一の瞬間であったが。底辺私立高校の特待生枠をとり、学費が安いから、というそれだけの理由で進学をし、現在高校三年生である。卒業後にする事、いや、できることが全くない。人生がルナティック過ぎた。
とある学校帰り、唐突に、自殺をしよう。そう思い手近な廃ビルに登る。
仕方がないじゃないか、こんなにも不幸なのならば。
仕方がないじゃないか、こんなにも人生の行先が見えないのならば。
施設には書き置きを残してきた。これで問題はないだろう。もし来世があるのなら・・・
こうして俺の人生は終わった
書きだめとかしとけばよかったかなって思った(遅い)