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食え~ま~…

「これどうっすかな…」


俺の前には舌をだらしなく垂らし動かなくなったグレーウルフが横たわっている。


心臓は動いているようなので死んではいないようだが、触っても起き上がったりする気配はない。


グゥ…


「―こいつは食えるのだろうか?」


オレンジだけでは満たしきれていないお腹が肉を欲している。


確か犬を食べる国もあったよな…


食べれるか確認するためにも羊モドキの元へと戻る。



>>>>>>>>>>>>>>


「お~い」


羊モドキ探し歩き、最初の広場まで戻ると下を向き動かない羊モドキを見つけたので声をかける。


「!」


顔を上げ驚く羊モドキ。


「セイさん!食べられてたんですね」


どうやら羊モドキの中では俺はグレーウルフに喰われたことになっていたようだ。


「喰われてねーよ!」


「ゃ、やめてくださ~い」


羊モドキでジャグリング風なことをやりスキンシップを図る。


これは決して動物虐待ではない!

そもそもフェアリーは動物なのか?


「ぅ、う~」


目でも回ったのだろうかプルプルしている。


「それでだ。これって食えるか?」


俺は引きずってきたグレーウルフを指差し確認する。

魔物ってどんな味がするんだろう。

未知の味に食指が動かされ、口の中に涎が溢れてくる。


「本当に倒したんですね!食べれますけど…」


「本当か!?」


「はい…けど、これって死んではないですよね?なんで動かないんですか?」


「シロゴブダケを喰わせたらこうなった…」


「それだと食べれないですね」


「なんだと~」


広場の真ん中で絶叫する俺。

シロゴブダケの毒は即効性の痺れと後に発生する皮膚など変色が特徴で解毒しないと食べれないらしい。

解毒薬はここにはない。

よって食べることはできない。

肉が食べれるかもしれないと心踊らせていたが、全て絶望へと上書きされた。


「それなら殺ればレベルが上がって強くなれるのか?」


項垂れていた頭を持ち上げて、食べれないならば強くはなれないかと聞いてみる。


「たぶん上がりますけど…」


「まじか!じゃあ、殺ろう!」


意気揚々とやる気を出してみたが、方法が撲殺しか手段が思い付かず元日本人であり、殺しとは無縁の生活を送っていた為に動けない相手を殴り殺すという行為に怖じ気づいてしまう。


「―レベル上げたいけどな…」


「そんなに悩まなくてもレベルならグレーウルフを倒した時点で上がってるんじゃないですか?上がってたら殺ったぐらいではレベルは上がらないかもしれませんよ。」


「…」


羊モドキの言葉に暫しの沈黙で返し、急ぎステータスを呼び起こす。


――――――――――――――

セイ=クローズ (旧名:服屋 邦正)


種族:人族 年齢:15


level:2

【筋力】26

【耐久】16

【俊敏】19

【器用】52

【知力】28

【魔力】32

【運気】3


スキル

【錬成 (level4)】【裁縫 (level4)】【裁断 (level4)】【付与 (level5)】

【女神の加護 (真理) (上昇) (修得) (影響)】


――――――――――――――――


おぉ~本当にレベルが上がってる。あれか!戦闘した経験値ってやつか?

ん?いや、ちょっと待てよ…

レベル上がってるけど中身が何も変わってない!


「確かにレベルは上がってるけど【筋力】とかが何も変わってないんだけど…」


「それはそうでしょう。」


羊モドキ曰く、レベルは様々な経験をすることで上がるがレベルがあることで【筋力】などの数値が上がるわけでなく、レベルとはその人が持っている潜在能力の限界値を引き上げてくれるものらしく、数値を上げるには鍛錬しなければ上がらないらしい。


つまり、楽して強くなんかなれないから努力しろってことだ。


「チートでも努力が必要なのかよ…」


チートであればゲームのように簡単に強くなれると思っていた。

寧ろ、その為の加護だろうが…

もうあれか、各地にある金色の筋肉製作所にでも入会するか…

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