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変態のお願い

変態の頬をつねり心を落ち着かせようとするが、変態の服装のせいで落ち着くはずもないので、一旦距離を取り深呼吸を繰り返す。


「よし!もう一度聞こうか」


「ちょっと頬っぺためっちゃ痛いし!神にこんなことする奴いな「いいからもう一度転生理由を言え」」


抗議する変態に手でつねるアピールをしぶつくさ文句を垂れているのを中断させる。


「だから服屋になってほしいんだって!」


どうやら聞き違いではなかったらしい。


「なんでだ?」


「それは……その……「早くしろ」」


そんなに言いにくいことなのだろうか。

言い淀みなかなか話そうとしないので再び手でアピールし話を促す。


「そんなことしなくても話すからやめて~」


頬を抑えて涙目で首を振っている。

そんなに痛くしたつもりはないのだが…

この自称神、服さえ違っていれば一目惚れしてただろうな。


「…私の服が欲しいんです」


「ますます意味がわからないし、俺にそんなに薄い服を作る技術持ってないぞ」


「こんな服じゃなくて、おしゃれで可愛いのが着たいの」


「着ればいいじゃん」


「それが無理だからお願いしてるんだし」


「どうゆことだよ」


変態曰く、変態の世界ではファッションやサブカルチャーといった分野が未発達で衣服は地球の紀元前ぐらいで停滞しているらしい。

そんな中、数世紀ぶりに神の集まり(飲み会)に参加したら、地球の神におしゃれ自慢をされて非常に悔しい思いをしたらしい。

何故地球の神がおしゃれなのかはマンガやゲームでおしゃれな服装で描かれた自分を偶像として入手したらしい。

マンガやゲームで崇拝はしてないのでむりくり感が否めないが…


「服が欲しい理由はなんとなくわかったけど、自分で何とかできないのか?」


「できたらこんな回りくどいやり方しないし!神は世界への干渉が制限されていて思い通りすることはできないの…」


「そうなのか?でも、俺知識はあっても服なんて作れないぞ?」


「そこはチートをあげるから何とかして」


きました!お約束!

でも、服を作るためのチートってどんなんだ?


「どんなチートをくれるんだ?」


「フフン♪それはだね!私の加護と錬成と裁縫、裁断、付与のスキルを最大レベルにしてあげる」


どうだ!と言わんばかり、残念胸を張りどや顔をしてくる。

残念胸だが布が薄すぎて胸を張られるとほぼ見えてしまっている。

やはり変態なのだろうか…

そして、この能力はすごいのだろうか?

変態の加護とか受けたらうつりそうで怖い…


「なぁ、本当にそれってすごいのか?」


「当たり前じゃない!私の加護だよ。普通ならあり得ないから」


「はぁ…」


更にどや顔が増し、せっかくの美人が台無しなことになっている。

変態との会話は疲れるなと思っていると体が薄くなっていることに気づく。


「おい!体が薄くなってるぞ!」


「あら~もう時間みたい。最後に君の作った物が世間に一定以上認知されるようになったら私のところに届けようになってるからよろしく~」


徐々に消えていく体に戸惑っている内に首より下が消えてしまった。


肝心なことがほとんど聞けてなく、そもそもこれから何処に向かうんだよ。

口も消えてしまい話すことも出来なくなってしまった為、睨み付けておく。

もし、次があれば絶対に頬をつねり倒してやる。


俺の意志が届いたのか変態は頬を片手で隠しながら手を降っていた。


「すごい睨まれてたけど服ちゃんと作ってくれるかな…」


頬を抑え苦笑いを作りながら神もまたその場を後にした。

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