逆回転
息をするたび口を衝く
「こんな自分なんか」って
ひび割れた冷たいマグマは
地中で軋んだ音を立て
手のひらの白い薬に
永久の夢を願う
それでも君の前ならば
笑ってしまえるこの不可解さ
無防備な笑顔に
つられるように
騙されるように
つるりとした日常
今夜も静かな満月の下
安らかな眠りに潜り込む
青白い光に浮かぶ
形を持たない残骸たちは
規則正しい君の寝息に
傷つくように
誤魔化されるように
こっそりと膝を抱え
睫毛を濡らした時間を裏切る
重く積まれた地層から
淡い悲しみが立ちのぼっている
いつだって
そうやって
僕は小さく切り刻まれていくのだ