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俺は悪くない





ファァ…おはようございます。


えっと……次は地理か。


地理の教師の名は武内和真。


60代のおじいちゃん先生である。


しかし、未だ未婚。


もちろん子供も孫もいない。


この年齢になれば可能性は無いに等しいだろうに武内はまだ諦めていない。


もう無理だろ。


いい加減諦めろや。


武内の喋り方に俺は勝てない。


語りかけるような口調にちょうど眠くなるようなトーン。


こうなれば、もう寝るしかない。


むしろ「おやすみなさい」と言ってるようなものではないのか。









開始のチャイムが鳴る。




あぁ…もう無理だ。


おやすみなさい。





「隼人くんっ!起きてっ!」


ん…?もうなんなんだよ。ほっといてくれ。


……って松川じゃん。


起きるしかねぇじゃん。


と思っていたらまた爆EX組に睨まれている。


あーぁ、もうめんどくさいな。


「それでは…松川さん、いってみましょうか。」


おっ、当てられたな。


頑張れっ!松川。


「バチカン市国は世界で一番小さい国です。バチカン市国はローマの中に…」


お。これは驚いた。


ただのバカなグラビアアイドルなのかと思っていたらなんだ。


こいつは勉強もできるのか。




「よろしい。素晴らしい回答ですね。」




爆EX組はにっこりとしてから一気に俺を睨んだ。


おー…怖い怖い。


ごめんなさいね。


松川の隣が俺で。









ふぅ。


やっと終わったよ。


…なんて思っていたら爆EX組が凄い目つきでこっちに向かってズカズカと来ているではないか。


きっとこれは呼び出しとかいうやつなんだろうな。






「七瀬!お前一体俺たちのルミ様と馴れ馴れしくして!ふざけんな!お前はあくまでも青春bomber…」



うるせぇな。


悪かったな。


青春bomberが愛読書で。



「ちょっと!隼人くんに何してるの!悪いのは私だから!」


おいおい、松川。


お前は俺をかばうのか。


なんて優しいんだ……。




お……。


睨むんじゃないよ、爆EX組。


俺は悪くないんだ。


松川が勝手に話しかけてくるだけなのだから。


話しかけてさえもらえない人たちに俺が今かけれる言葉は「…どんまい」くらいだろうな。




…とか思っていたら


「ちょっと!ちゃんと感謝してよね!?あんたの責任、私がとったんだからね!?」


…って、は?


俺は何も頼んでないっつーの。


なんなら今すぐクラスの女子全員にお前がグラビアアイドルだってバラしたっていいんだぞ?


こいつはあれだ。


裏表が激しいんだ。




……まぁ、可愛いからいいか。


などと考えてしまう俺が情けない。




……クソッ…





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