平凡=幸福
俺は極普通な別に変哲もないただの高校生である。
未だ始まったばかりの地味でありながらもこれ以上にはない平和なスクールライフはまさに俺が求めていた楽園そのものだった。
寝て、遊んで、食べて、また寝る……
そんな気ままな生活が続いていく。
……はずだった。
少なくともそういう予定ではあった。
しかし残念なことにそんな願望もあっけなく朽ちてしまうのであった。
あぁ、この世はなんて儚いのだろう。
どうか神様、この俺を『普通』の高校生に戻してくださらないか。
……なんてお願いが届くわけがない。
あーぁ。神様は忙しいんだろうな。
どうせこの広い世界の中で俺の「普通の高校生に戻してください」なんて願いはちっぽけ中のちっぽけなんだろうな。
俺が通っているのは極普通の公立高校である。
共学ではあるがブスばっかし。
おかげで恋愛感情なんてものはどこかに飛んでいってしまったよ。
あー、あの時は神様に「美人で胸のでかい俺の彼女にふさわしい女子を転校させてきてください。」なんて馬鹿なお願いをしたっけな。
それが間違いだった。
よりによって何故神様はあの願い事をちょっと異常な形で叶えてしまったのだろう。
俺の馬鹿なお願いによって転校してきてしまったのがまた強烈なんだよな。
なんで俺はああいう奴ばっかり当たるんだろ。
これもある意味くじ運なのかな?
それはさておき。
神様の願い事の叶え方がまたとてつもなく中途半端なもので、美人や巨乳という意味では合っていた。
ただ、一番間違えてはいけない『俺にふさわしい女子』という部分が間違っていた。
やっぱり神様でも間違えることはあるんだな。
俺は改めて理解することになった。
あの破天荒な転校生
松川 琉美によって。