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激昂

遅くなってすいません


寂しい風が吹き抜ける。



ウィルがおもむろに拳を挙げた。



「運動器官に麻痺を与えよ」



キャリックとコールは高圧電気に触れたかのようにバタリと倒れた。



「俺の計画をじゃまする奴は殺害いや殺戮いや惨殺」



激昂しているウィルは先ほどの見下した冷静な言い方とは違い感情むき出し人間に豹変する。



「ウィル、なにがしたいと聞いている。戦うつもりはみじんもなかったんだがね」



「それはウソだ」



「いいやウィル、よくきけ。俺はな」



「ウソをつくやつにいえるはずねぇだろうが」



ウィルは動けないコールを思い切り蹴る。

彼の合金の靴がその威力をより高めていた。



「ぐああぁあ!」



「ふははは!コール!叫べ!最高にたの」


「てめェ…コール先輩にィ…手ェだすなァあ!」


動けないキャリックが必死に動こうとする。



「さっき俺を殴ったやつか。なら仮は返そう、ってなあ」



ウィルはサバイバルナイフを取り出しキャリックを切りつけた。



キャリックの背中に赤い一直線ができた。



「ぐああ!」



もはやキャリックたちはなすすべもなかった。


動けないならばキャリックの身体能力も、コールの剣技も無意味だ。



「さあ、どうする?このまま楽にしてやってもいいんだぜ」


「ウィル、いいかよく聞け。なぜお前は大勢の人の記憶を無くさせた?それもなぜ人間だということを忘れさせた?」



「教えてやろうか?」



ウィルはもったいぶる。

1、2歩歩いたところで話し始めた。



「インテリ以外の人間はみな愚か。インテリ以外の人間は4勢力の名に廃る!」


「どういうことだ?」


「4勢力。お前は知らないのか?ゲノム、ビースト、ロボット、ヒューマンだ。みな強い。だからそれと対等していくには強い勢力が必要。なのにインテリ以外の人間は無能、非力だ。それならインテリ以外の人間は人間じゃない。」



「てめぇ…ふざけんな!」



キャリックが怒りをあらわにする。



とたん鋭い針のようなものがキャリックの手の平に刺さった。



「ぐああぁああ!」

「キャリック!」



コールはキャリックを助け出したい。

チンピラからたすけだすの容易だった。


だが今はそんなことすらできない。



「コール、しにてぇか?」


ウィルがつぶやく。

「バカやろう!そんなことしたら本格的に、」



「だまれ」



コールの言葉を断ち切ってウィルはサバイバルナイフをかざす。






「死ね」


ウィルがサバイバルナイフをコールの腹に目掛けて勢いよく突き刺した。










「ぐああああっ!」



だが悲鳴をあげたのはウィルだった。



流れているはずの血は一滴もない。


「おーい、ウィル。お前との戦いになんも持ってきてないわけないだろ」



動けないはずのコールは立ち上がった。


「な゛、なぜ立ち上がれる?くっ、中枢神経をま」


「遅い」


コールは素早く跳び蹴りを見舞った。



ウィルは遠くへふっ飛ばされる。



「なるほどねぇ…。腹の辺りに電気板挟んでるだろ」



「ウィル鋭いな、片面には力を加えても電気が流れずもう片面は流れる設計だ」


ウィルはゆらゆらと立ち上がる。


「ふざけやがって、中枢神経をまひさ」


今度はウィルの背を目掛けて強烈なドロップキックがとぶ。



ウィルが忘れかけていたキャリックによるものだった。



「記憶を忘れさせるやつが忘れてどーすんだ」



キャリックは嘲笑する。



ウィルは脊髄を強く蹴られ、しゃべることはおろか呼吸することすら困難だ。




もがき苦しんでいるウィルの首もとにコールの剣の刀身がむく。



「どうした?インテリが無能のナイトに負けているじゃないか」



「う、がぁあ」


もはや言葉ではない、叫びそのものだ。


「剣ひとふりでお前を殺せるぞ?死にたいか?」



「があああっ!」



「インテリはこんな無惨なものなのか?あ?」



「あ゛あ゛ああ゛があ゛ぁあ!!」



コールの剣は無意識にふられた。



脳が操られた


ウィルによって



「最期に自分のMIMで死ねるのはインテリにとって誇りらしいな」



流れる血には目も向けずキャリックとコールは去っていった。

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