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彼と  作者: むーん
4/9

〜4限〜

あれから、お昼はゆいちゃんと一緒に食べていて、休み時間も一緒にいることが多くなった。

だけど今日、私は一人でお昼を食べてる。湊くんが4時間目が終わってすぐにゆいちゃんを連れていったそうだ。委員会があるとかどうとか。

お昼を一人で食べてると、はなちゃんが私の隣に来て座った。


「湊くんが委員会の仕事があるらしいから、一緒に食べよ!」


「嬉しい!私もちょうど一人だったんだよ。ゆいちゃんも委員会の仕事があるって湊くんと行っちゃったから。」


「湊くんと…。」


はなちゃんの顔が急に暗くなったのがすぐに分かった。


「…うん。」


湊くんと付き合い始めたばかりだから、不安になっているんだよね。

そして、私は重たい空気を変えるべく、話題を無理やり変えた。


「は、はなちゃん!趣味とかあるの?」


「…あ、ごめん!何か言った?聞いてなかった。」


「はなちゃん。趣味とかあるのかなって思って。」


「趣味ならあるよ。」


「そうなんだ。」


何とか元の空気にもどった。


「私、刺繍するのが得意なの。だから、ハンカチとか簡単なものなら自分で作っちゃってるよ。」


「へー!凄いね。私は器用じゃないから真似できないよ。」


「だったら、今度教えるよ。」


「いいの?やってみたい!」


そして、いい空気のまま昼休みは終わり、私は教室へ戻った。

やっぱり教室は騒がしいな。正直、さっきの昼休みくらいの静けさの方が私には合っていると思った。


「はなちゃん、心配だな…。」


確かに覚悟の決まったような顔にはなっていたが、それでも辛そうな事には変わりなかった。好きな人と他の女の子が一緒にいる。そんな辛いことは他に無いと誰かが言っていた気がする。まして、先日付き合い始めたばかりだ。どうか、はなちゃんに幸せが訪れますように。


「ザワザワザワザワ。」


「!?」


この教室の騒がしさに紛れて、聞きたくなかった話題が聞こえた気がした。


「流石に気のせいだよね。」


自分自身に気のせいだと言い聞かせても、はなちゃんの為にはならない事は分かっていたけど、言い聞かせるしかなかった。


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