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彼と  作者: むーん


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20/24

〜20限〜

「おはよー。」


「ゆいちゃん、おはよ。」


 外から入ってきた朝日が顔を照らし、私たちは目を覚ました。

 涼も「おはよ。」と、いつもの調子で体を起こした。

 そして、朝ごはんを食べてから着替えた。


「あー!今日で旅行、終わりかー。」


「明日、朝の十一時に出発な。」


 明日は昼の前に帰ることになった。

 旅行前から決まっていた事だが、少し寂しい気持ちが込み上げてきた。


「でも、また来たいね。三人で。」


「うん!私、初めて来たけど、ここはいい所だよねー!」


「そうだな。」


 布団を畳みながら、私たちは旅行の終わりを噛み締めた。


「この後どっか行くか?」


 涼は寝室から晴れた空を見上げながら、提案した。


「他に何かあったっけ?」


「川で釣りするか?」


「あー。懐かしいし、やってもいいかも。」


「お!釣りするのー?」


 そうして、私たちは近くの川に行くことになった。

 川に着くと、緩やかな流れと心地の良い風の音が心を癒した。


「綺麗なところだねー!」


「今日は何釣るかなー。」


 涼が釣り糸や仕掛けの準備をしながら、楽しそうに言った。


「いつも通り、アユとかでいいんじゃない?」


 私は以前、こっちに住んでいた時にもよく釣っていた魚を推した。


「おっし。じゃ、やるか。」


 涼がそう言うと、私たちは釣竿を持って、川に近づいた。


「釣った魚って食べれるー?」


 ゆいちゃんが川に釣り糸を垂らしながらそう言うと、涼が呆れた様子で返した。


「俺の母ちゃんに弁当もらっただろ。」


「あー。そうだったー。」


 ゆいちゃんは照れた様子で頭を搔いた。

 しばらく経つと、私と涼の水を入れたバケツにはアユがたくさん入っていた。

 ゆいちゃんのバケツにも三匹のアユが入っていた。


「そろそろ終わりにすっかー。」


「もう終わりかー。」


「俺らのはリリースするけど、中野のやつは塩焼きにしようぜ。」


「やったー!」


 そうして、私たちは河原でアユの塩焼きを食べた。


「それにしても、中野が塩を持ってきてるとはな。」


「釣りに行くなら食べたいと思ってたんだよー。」


「でも、美味しいね。」


 ゆいちゃんは、アユを頬張りながら市販の塩を見せてきた。


「でも、ここ焚き火しても大丈夫なんだねー。」


「うん。春とかはキャンプしてる人もいるよ。」


「おー!楽しそー!」


 そして、私たちはアユを食べ終え、後片付けをしてから帰ることになった。


「あー!楽しかったー!」


「そうだね。私も久しぶりで、なんか懐かしかったよ。」


「そうだなー。俺も釣りしたのは久しぶりだったぜ。」


 午前中に出かけたはずが、気付けば辺りは赤く染まり、強い光が瞳を揺らした。

 今夜、眠ってしまえば、もうこの旅行は終わり。そんな気持ちにさせた。


「もう、終わりか……。」


「夏乃ちゃん!帰るまでが旅行だよ!」


「そうだぜ。明日、家に着くまでは旅行は続くんだからよ。そんな顔すんなよ。」


 ゆいちゃんと涼は、笑顔でそう言った。

 その顔には、夕日の光が反射し、とても輝いていて眩しかった。


「……そうだね。帰るまでが旅行だね。」

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