〜12限〜
――体育館
「えー、では、皆さんが充実した夏休みを過ごせる事を祈り、私の一学期終業式の閉式の挨拶とさせていただきます。」
私たちは期末テストを終え、終業式を迎えた。
テスト結果はみんな普通くらいだった。
「一同、礼!」
――教室
「あー。校長先生の話、長かったー。」
「そうだねー。って、ゆいちゃん!教室に戻らなくていいの?」
「そういや、中野は隣のクラスだったな。能城と一緒だもんな。」
涼は今、気が付いた様子で言った。
「もう。早く戻らないとホームルーム始められないんじゃない?」
「あっ!ほんとだ。じゃ、戻るね。またあとでー!」
(作り笑いが少なくなってきたかな……?)
私はゆいちゃんの後ろ姿を見送りながら、そう考えずにはいられなかった。
あの日、屋上での出来事はゆいちゃんにとって、どう感じたのか。それは、私には分からなかった。
「……なーに、人の心配してんだよ。」
色々考えていた私を見て、涼が声をかけてきた。
私はなんでもないように返した。
「心配なんてしてないよ。」
「昔っから夏乃はわがまま言わないよな。少しくらい言ったら?」
「えー。でも欲しいものないし。」
冗談交じりにそう答えた。
――放課後
「夏乃ちゃん!一緒に帰ろー!」
帰りのホームルームが終わり、廊下に出るとゆいちゃんが走ってきた。
「そうだね。」
「お、帰るか。」
涼がそういうと、三人で歩き出した。
私たちはくだらない話をし、笑いながら帰り道を歩いていた。
しばらく歩いていると、ゆいちゃんが「ね!二人とも、夏休みどうする?どっか行く?」と、提案した、
「うーん。そうだね。特に用事もないし。」
「俺も用事ないし大丈夫だな。」
「どこ行くの?」
予定が空いてる事を確認し合い、私はゆいちゃんに尋ねた。
すると、珍しく涼が一番に口を開いた。
「俺お盆の時、親の実家に行くんだけど。そこで、夏祭りあっから着いてくれば?泊まりで。」
「え!いいの?」
ゆいちゃんは楽しそうに答えた。
「あ、そういえば、涼は毎年帰ってるんだっけ?」
そう。私と涼は親の地元も一緒で、中学まではそこで育ってきた。
「夏乃は全然帰らないよな。」
「まあ、親がおばあちゃん達とあんまり仲良くないから。」
「あー、そうだったな。まあ、今回は俺の親の実家だし仲良いだろ?」
「そうだね。小さい頃はよくお祭りに連れて行ってもらってたもんね。」
私たちがそんな話をしている時も、ゆいちゃんは夏休みに旅行をすることに対して目を輝かせていた。
そんな姿を見て、涼はゆいちゃんにも話を振った。
「中野もそれでいい?泊まっていけそうか?」
「うん!お世話になります!」
「決まりだな。お盆の前日にいつも帰るから、そん時の朝、出発な。」
「おっけー。」
私がそう返すと、ゆいちゃんも「りょーかい!」と、元気よく返した。
高校に入って、初めての夏休みが始まる。




