噂の怪その拾? フェアリーフェイス 〜 カメラ目線を下さい 〜
それはカメラを通すしか見る事が出来なかった。何故なら止まった世界に存在し、人の目には映らない肉を喰らう生き物だったからだ。
その存在が明らかになったのは、携帯カメラの普及と、画像解析度の発達したからだろう。
写真撮影による幽霊の正体は、飛んでいる虫などの移りこみだったり、手ブレだったり、光の加減によるものだったりしたものだ。
しかし撮影機器の発達により、解析された画像の中、何もない所に顔が浮かぶという噂が立ち始めた。
「か‥‥可愛い」
画像投稿サイトに上がっていた噂のもとになった画像。肉に喰らいつくその顔に、僕は素直に可愛いと思った。
動画では何故か映らないようだ。動画で撮った画像を一時停止してみても、その姿は映っていない。
その肉に喰らいつく姿を確認出来るのは、その一瞬の間を閉じ込めた一枚の写真のみなのだ。
もちろん加工技術による合成は、発見当初から疑われていた。最近では何もない空間に指先一つで物を出現させるなど、造作もない事だから、存在を疑うものも出てきた。
否定したいやつは勝手に否定してくれ。僕は噂を信じて、撮影された現地を訪れてみた。
フェイクならば、何もない空間を写したところで何も映らないはずだ。
────見えないはずの空気の妖精。最先端技術バンザイ!!
彼はあっけなく撮影に成功した。肉に喰らいつく美しい妖精は、自撮りでシャッターを切った瞬間に、彼の喉笛に齧りついていた。
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