表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新説 怪奇佰談  作者: モモル24号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/36

噂の怪その玖 ひずみん 〜 悪意の罠か転移の前触れか 〜


 妖怪のかまいたちを知っているだろうか。突然スパッと鋭利な刃物で、気づくことなく斬られている。


 私がその噂話を耳にした時は、面白可笑しく誰かが昔の妖怪を持ち出して、噂を流したのだと思っていた。しかし現状は噂よりも悲惨な状況だったようだ。



 はじめの事故は爆音で走り抜けるバイクの集団だ。迷惑を被った近隣住民の仕返しだったのではないか、そう言われていた。


 旧国道沿いから山へ向かう寂れた一本道の登り坂。地元の人も滅多に使わなくなったため、爆走する珍走団や動画配信者達が頻繁に訪れるようになった。


 事故が確認された当時、何者かにより古びた電柱と灯りの消えた街灯の柱を利用して、ワイヤーが張られていた形跡はあった。だからだろう。このブービートラップにより、爆音を鳴らしながら爆走するバイクの運転手三人の胴体がスパッと綺麗に切れていたと勘違いしたのは。


 ────亡くなった遺体には上半身がなかったという。しかしどんなに硬度のある糸で罠を張ったとしても、人体とバイクまで真っ二つに綺麗に切断出来るだろうか。それも登り坂で、立て続けに三台も。


 この悪意あるいたずらにより、来訪者は減った。しかし怖いもの見たさでやって来るものはいる。そのうちの何人かは痕跡すら残らず消えたという。


 私は噂をもとに現場の状況の調査をした。本来なら自分で確かめたい所だが依頼という形を取った。この噂の通り魔現象は陽のあるうちからも発生することがわかったのだ。


 珍走族やら内外問わず迷惑配信の連中が餌食になる事に、溜飲を下げる思いでいた住民も恐怖し、この道をあえて利用するものはいなくなった。


 調査の結果わかったのは晴天乱気流による(ひずみ)に近い現象だ。雲一つない晴天で起きた飛行機事故の話を聞いた事はあるだろう。真空の刃が走るかまいたちとの違いは、その場に発生している事だろう。


 いつしかこの怪奇現象は「ひずみん」の仕業と呟かれるようになった。ここだけの話なのか、全国……いや世界至る所に起きているのかは引き続き調査中だ。


 地震が続き地殻変動の心配ばかりされているが、大気にも気圧の断層というものがあり、揺れと共にズレが生じる。異様な臭気が立ち込める……そんな話も耳にした。いままで起きていなかった事を考えると、きっかけは地震にあるかもしれない。あくまで個人的な推論だ。



 ────まことしやか囁かれたのは次元の狭間が開いて放り込まれた、地獄の門番に切られたというものがあった。また(いびつ)な人間関係を「ひずみん」が喰らいくるなど、人の想念が生んだ妖かしの類であるとも。


 消えた人々は「ひずみん」に呑まれ転移したのでは……そんな眉唾な噂が立つのは今という時代らしい考えだが、あながち間違ってはいないかもしれない。何故ならそこにそれが生じたことを、結局誰も証明出来ないのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バナー用
 推理ジャンルも投稿しています。応援よろしくお願いいたします。↓  料理に込められたメッセージとは
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ