ハムくんとの出会い
大きい鈴木伸之さんと小さいハムスターという最強の組み合わせを思いついたので
殺し屋とは
ターゲットを素早く無力化し、息の根を止めるものだ。
それだけのはずがどこで手筈を間違えたのか
俺は河川敷で傷を負って座り込んでいた。
深手ではないが部下に見られれば一目で傷を負っているとわかる
おそらく部下は傷の手当てをしましょうなどと言いながら行動するだろう。
それが、仕事を終えても帰路につかない理由だった。
プライドが高いことを自覚すると同時に変わったところで
心配性な部下を面倒くさく思うことで時間をつぶす
ばからしい
それを理解しつつも些細なミスで殺しを失敗していた未来もありえたのだと
考えるとため息を吐きたくなり、額に手を当ててうつむくと
視界の端に動くものをとらえた。
「それ」と目が合う
つぶらな瞳でこちらを見て動かない姿に
俺は何を思い悩んでいたのかを忘れて
「それ」と対峙している。
しばらく見つめあった後にこれはハムスターだと
脳がやっと処理をして
野生のハムスターを思いながらもそんなわけはないと考え直す。
少し、空を見てから目線を戻すと
ハムスターは変わらずこちらを見ていた
そして俺は何を思ったのかそのハムスターを手に乗せ
ハムスターときたら、もぞもぞと動くものの俊敏さはない
怪我でもしているのか、食料を取れなかったのだろうと考えて
手に乗せてしまったことで
薄汚れ、弱っている生き物との接点ができてしまった。
俺は殺しを生業としてから
甘いものと可愛いものと距離を置いた
隙になりえると思ったのだ。
それなのに自分の手に乗せた命はなんだ
ぼんやりと見ていてもハムスターは動いている。
深いため息を吐いて 俺は立ち上がった、部下に傷だらけの姿を見せることと
ハムスターの診察ができる動物病院を探すことを決めて。
□須藤(鈴木伸之) ハムくんと出会った殺し屋
□ハムくん(ジャンガリアンハムスター) 殺し屋の須藤と出会ったハムスター
□部下(お好きな俳優さんで) 須藤にあこがれて弟子入りした新米殺し屋