表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

6 湖で魚釣り

「ねえ、メローリ」

「なに、お母さん」

「なんだか、いつの間にかお空の上にハート型の何かが浮いているみたいなんだけど、あれ、何なのかしら?」

「私よくわかんなーい」

「そうよねえ。落ちたりしてきたら怖いわねえ」

「きっと大丈夫だよ!」


 よし。大人たちにはバレてるんだけどバレてない。主に犯人とか。

「今日は湖に住む魚を捕まえてこようー!」

「おー!」

「うさー!」

「ということで、マジツヨ、カゼツヨ。どっか池か川につれてって」

「わかりました」

「それなら良いところを知っている。俺様に任せろ」

「何、我の方が知っている。ここは我が案内する」

「何?」

「なんだと?」

「ちょっと待って。二人共。家来の痴話喧嘩なんて見たくない」

「はっ」

「まずはどんな魚をとるかやね。んー。大きすぎても困るし、小さいのでいいか。ええと、小さいのでいいよね?」

「私おっきいのが良いー!」

「いきなりスイーリアとレトリアの意見が割れたー!」

「どうしよー!」

「いや、どうもせんわ。時間はいっぱいあるし、まずは大きい魚を狙ってもいいよ」

「ありがとうレトリアー!」

「うーむ。レトリア、大人である」

「マジツヨとカゼツヨは、大きい魚のいる場所を知っている?」

「魚なんてどれも同じだろう」

「俺様はもちろん知っているぞ!」

「じゃあここはカゼツヨに任せよう」

「そんなバカな!」

「うん。マジツヨ。さっきの反応で結果は決まったようなものだよ」

「ぐううっ」

「じゃあ次は、魚を運ぶケースやね」

「おおなるほどー。レトリアあったまいー!」

「さすがレトリア、賢い!」

「褒めるのはケースが用意できてからにして。それで、マジツヨはどんな物でも生み出せるんだよね。なら、用意してくれないかなー?」

「よかろう。どんなケースだ?」

「スマホで検索して。透明なやつがいいんだけど」

「なるほど。ここでスマホを使うのか。どれどれ」

「ほう。スマホとは便利なものだな」

 マジツヨとカゼツヨがスマホを使う。

「あと、釣り竿も作ってほしいんだよなー」

「ああ、釣りね。確かに、それが無難かな」

「私も、釣りしてみたい!」

「よし。それじゃあ釣り竿も、マジツヨに作ってもらおう!」

「おー!」

 数分後。

「ふむ。こんなものでいいか」

 マジツヨがケースと釣り竿を用意した。

 けれど、そのケースがドラゴンが運ぶようなビッグサイズだった。

「マジツヨ、そのケース大きすぎじゃない?」

「そうか、たくさん運ぶならこの方が良いと思うが」

「マジツヨが運べるんなら、これでもいいんじゃない?」

「うーん、スイーリアの言う通りか。それじゃあ魚を釣りに出発だー!」

「おー!」

 マジツヨがドラゴンモードになり、ケースを持つ。

 すると。

 ガシャーン!

 マジツヨの力でケースが壊れた。

「あー」

「そんな、ケースが壊れちゃった!」

「マジツヨ、あたりに破片があったら危ないから、周囲にディスペルして!」

「うう、わかった。すまない」

「まったく。マジツヨは不器用だなあ」

「そう言うならカゼツヨ。お前が作れ」

「俺様はお前程魔法が達者ではない」

「やっぱりマジツヨ。もっと小さいケースの方が良いんじゃない?」

「そうかもしれぬ。すまぬ、メローリ様。世話をかける」

「まあ全部マジツヨ任せだから、責めはしないけど。あ、そうだ。マジツヨ。私から魔力を与えれば、その分丈夫なケースを作れる?」

「うむ。やってみよう」

 試したところ、今度こそ丈夫なケースが作れ、その後カゼツヨの先導で魚釣りに向かった。


 やって来たのは、大きな湖。

「ここに大きな魚がいる」

「そのカゼツヨの一言で不安になった。カゼツヨ、いったいどれくらい大きいの?」

「それは見てからのお楽しみだ」

「不安だ」

「レトリア、そんな不安にならなくてもいいじゃない。心配しすぎよ」

「そうよ。これから釣りを楽しもう!」

 俺はそう言って、釣りを始めた。

「それー!」

「私も、それー!」

「まあ、釣れてから考えればいいか。それ!」

 三人で釣りを始める。

 数分後。

「ねえ、まだ釣れないのお?」

 スイーリアがそう言った。

「こういうのは運だからなあ。私達、テクニックとかないし」

 レトリアがまったりしながら言う。

「テクニックがあれば釣れるの?」

「いやいやスイーリア。そう簡単なものじゃない。なにせ、水中を相手にすることだからね」

 俺がそう言う。第一、釣りのテクニックがどういうものかもわかってない。

「でもこのままじゃ全然魚が釣れないわよ。どうにかして釣れないかしら?」

「では、我が魚をとってこようか?」

「む。それくらい、俺様もできるぞ」

 ここでマジツヨとカゼツヨがそう言った。

「そうかあ。うーんじゃあ、二人に頼もっかな」

 その方が早いなら、頼むのもありだろう。

「よしわかった。ではとってくる」

「俺様は、マジツヨより大きいのをとってくる」

「ふ、お前にできるかな」

「できるさ。俺様の方が凄いからな。それ!」

 こうしてマジツヨとカゼツヨが湖の中にとびこんだ。

「あいつら、勢いよく入ってったなあ」

「これだけ騒がしくしたら、魚も寄り付かないだろうね。メローリ、スイーリア、一旦釣りやめよう。もしくは、ポイント変えるよ」

「はーい」

「でもあの二人をおいて場所を変えるのもなんだから、しばらく休憩してよっか」

 俺たちは釣り竿を地面に起き、裸足で湖をバシャバシャけったりしながら遊んだ。

 するとすぐに、マジツヨとカゼツヨが帰ってくる。

 ザッバーン!

「メローリ様、今帰ったぞ!」

「どうだ、俺様の方が大きいだろう!」

 そう言って二人が見せたのは、どちらもギリギリケースに入りそうなサイズのビッグフィッシュ。

「でかすぎ!」

「わー凄い、とっても大きいお魚!」

「こんなの絶対釣れんわ!」

「さあメローリ様、ほめてください。スイーリアとレトリアも賛美をおくってよいですよ」

「これだけ大きければ満足だろう」

「たしかに満足だけど、ケースが足りない。マジツヨ、もう一個ケースを作って!」

「ああ、わかった」

「お待ちなさい!」

 なぜかここでそんな声が響いて、湖からおば、げふんげふん、お姉さんが現れた。

「私はこの湖の精霊。あなた方。その湖の主とナンバー2を持っていくのはどうかおやめください」

「なんで。別にいいけど。そんなに大切な魚だった?」

「ええ。そう言えばそうです。そのツートップ魚がいなくなれば、湖の中はまた魚乱世に逆戻り。湖の平和のためにも、そちらの魚がいなければならないのです」

「なるほど。キング的存在だったか。じゃあここは返した方が良いかな」

「ですがメローリ様。この魚は我らがとったものだ。生殺与奪の権利は我らにある」

「そうだそうだ」

「もし返してくれたら、おわびに金の魚と銀の魚をあげます」

「やったー私そっちの方が良いー!」

「よし。では魚を返すぞ」

「それ!」

 マジツヨとカゼツヨはあっという間に魚を湖に返した。

「それではどうぞ、金の魚と銀の魚です」

 そして普通のサイズのゴールドフィッシュ、シルバーフィッシュをもらう。

「きれー。でもなんだか小さいわね」

「いやいやスイーリア、これが普通くらいなんよ。まあ、こっちの方が珍しいかもね」

「じゃあこれを持って帰ろう。精霊さんありがとー!」

 俺たちは湖の精霊に手を振って、魚が入ったケースと共にマジツヨとカゼツヨの力で飛び立った。

 釣りは失敗したけど、まあ結果オーライだ。

「湖は大きいけれど、魚はこれだけでいいかな?」

「なんか二匹だけでいいって言ってますよ。この魚達」

「マジツヨ、魚の言葉がわかるの?」

「はい」

「俺様もわかりますよ。湖を二匹じめしたいそうです」

「独り占めならぬ、かあ。まあ、別にそれでもいいかな」

「なんか贅沢な魚をもらったみたいね」

「他の魚とケンカしてしまうかもしれないなら、たしかにこれ以上魚を入れられないわね」

「餌は何がいいかな」

「水草とかでいいんじゃないですか。我が適当に生やしときます」

「あ、じゃあ頼む」

 ひとまずこれで、秘密基地島は魚も完備されて、より完璧になったって感じかな。


ひとまずここまでで投稿を止めます。

よければベストキュンキュン、イメージボールも読んでください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ