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5 秘密基地堪能

 俺たちは王座の間にやって来て、三人同時に椅子に座る。

 俺はもちろん、真ん中の一番立派な椅子。

「うむ。まあまあの座り心地だな」

 スイーリアは今俺から見て左側にある椅子。

「こんな椅子も作れちゃうのね。マジツヨったら凄いわ!」

「はっ、ありがたきお言葉でございます」

 俺の右には、レトリアが座る。

「まあ、こういうのも悪くない」

「お喜びいただけて、うれしく思います」

 レトリアがそう言うと、カゼツヨが俺たちに礼をする。

「よし。それでは俺が王。スイーリアがライトクイーン、レトリアがレフトクイーンだな」

 スイーリアとレトリアとの間に、上下関係はないのだ。

「わーい、レトリアと一緒に女王様ー!」

 スイーリアは喜んでいる。良いことだ。

「別に、三人で女王でも良くない?」

「これでいいの。二人は私の女王様なの!」

「メローリってこういうとこ不思議よねー」

「不思議っていうか、危険やね。主にこっちの身が」

 ふふ。二人が思春期に突入したら、勢い余ってあんなことやこんなことをしてしまうかもしれない。

 素晴らしい、未来予想図。

「私王様ごっこしたい!」

「いいわメローリ。なら私は女王様ごっこよ!」

「なんか違和感しかないおままごとみたいになってるね」

「王様は一番偉い。だからスイーリアとレトリアは、私をいっぱい愛すの!」

「まるっきり欲望まみれだな。完全にオヤジだ!」

「いいけどメローリ、それだといつもと言っていることが変わってないわ」

「それでいいの。さあ、スイーリア、レトリア、抱きしめ合おう!」

「私はパス」

「レトリアがのらないなら、私もぎゅってしたくない!」

「えーっ、なんでー、ここにきてクイーン達がツンデレ化した!」

「誰もツンデレではないわ!」

「メローリ、レトリア、ツンデレってなあにー?」

「ツンツンな態度って意味やよ」

「いやそれだけじゃツンだけじゃん」

「ではメローリ様。我が抱きしめてさしあげましょうか」

「それはいいですな。メローリ様。俺様が抱きしめてあげよう。光栄に思うとよいぞ」

「ええい、近寄るな、可愛くないやつらめ。お前らが近づいてきても良いことなんてないわー!」

「流石にその言い草はひとくありませんか、メローリ様」

「カゼツヨ。メローリ様はいつもこのような調子だ。慣れろ」

「なるほど」

「うさうさ」

「ああもう、スイーリアレトリアー、王様と女王様でくんずほぐれつしようよー!」

「絶対嫌!」

「私はそこまでじゃないけど、レトリアは嫌がりすぎじゃない?」

「それよりスイーリア、そろそろお花畑見に行かない?」

「うん、いくいくー!」

「く、レトリアめ。話が変わってしまった。私も行く!」

「よし。じゃあここからお花畑まで競争ね、よーいどん!」

「あ、待ってスイーリア、いや待たなくていいけど。どっちみちかけっことかはメローリがぶっちぎりやよー!」

「その通り。まずはレトリアのおててぎゅー!」

「わあ、足が速くなった!」

「次はスイーリアに追いついておててギュー!」

「きゃあ、すぐに追いつかれてしまったわ!」

「このまま三人でお花畑へゴーだー!」

「あはははははっ。速いはやーい!」

「本当、メローリの特殊能力はチートやね!」


 お城を出たらすぐそこがお花畑でした。

 まあ、城に入る時も見たけどね。

「とうちゃーく!」

「わーい!」

「うんまあ、良い景色やね」

「きれー、すごーい、私に似合うー!」

「本当、こんな良い場所が私達だけのものなんて、信じられない!」

「贅沢やねー」

 私達はそれぞれはしゃぐ。

「どうですか、メローリ様、スイーリア、レトリア。赤、青、黄色、ピンク、白、紫、オレンジの七色の花を用意しました」

「うむ。よくやってくれた。ほめてやるぞ、マジツヨ」

「はは、ありがたきお言葉」

「メローリ様。上から眺めるのも良いですよ。俺様が背に乗せてあげましょうか?」

「いや、それはいい。もう十分上から見たし。今はここで遊ぶのー!」

「うさぴょん達もはしゃごう!」

「うさうさ!」

「きゃー、うさぴょん達がお花を食べてるー!」

「お前ら、それが主食だったのか!」

「うさうさ!」

「あーん、まあ、ありっちゃあり?」

「ひょっとしたらそうかもしれないけど、今はやめてー!」

 そのスイーリアの悲鳴は、一応聞き届けられた。

 カワうさ。意外と油断できないナマモノである。


 次は野菜畑に来た。

「わーすごーい、ゴイッチがいっぱーい!」

「もう実ってるんだ。凄いね」

「はい。この程度のものならすぐこのレベルまで成長させられますよ」

「食べていいよね、食べちゃお!」

「あーん、スイーリアー、私が食べさせてあげるー!」

「ふーん、むしゃむしゃ。うん、ちゃんと甘い」

「はあー、もうこんなに食べきれないよおー。幸せ!」

「そんなスイーリアと一緒だと、私も幸せ!」

「うさうさ」

「お前たちはゴイッチ食べないの?」

「うさうさ」

「花の方が美味しかったと言っていますな」

「どっちかというとゴイッチ食べてる方が可愛らしいよ。ゴイッチ食べとき」

「うさうさー」

 レトリアに言われて、カワうさ達は仕方無さそうにゴイッチを食べた。

 ま、スイーリアが幸せそうだからいいか!


「ううー、もうお腹いっぱーい、苦しいー」

「スイーリア、食べすぎたね」

「そんなスイーリアも可愛いよ」

「でも幸せー。えへへー」

「そやね。これもメローリとマジツヨのおかげか」

「そうだよ、レトリア。お礼に私にだきついてきて!」

「誰がするか!」

「でも食べきれない程なりてるって、もったいないね。他にもまだあるんでしょ?」

「そうね。ロンメとかココーンとかもあるね」

「これ、皆に分けてあげた方がいいんじゃない?」

「スイーリア。その考えはとっても良いけど、ここは私達だけの秘密基地だから、しばらくは誰にも内緒にしようね」

「うーん、そうね」

「まあ、一応秘密基地という設定やしね」

「というわけで、私達が飽きるまでここは秘密基地だー!」

「うん。そうね!」

「そう言うと、秘密が終わるのも結構早そうな気がする」

「レトリア。そんなこと言って、お父さんお母さんにしゃべったりしないでね!」

「わかってる。しないよ」

「あの、ところでレトリア」

「なんなん、マジツヨ?」

「あなたが持っていた絵を映す道具、我にも貸してくれないか。気になるのだ」

「ああ、いいよ。けど充電とかは私にしかできないから、バッテリーが切れそうになったら返してね。充電したげるから」

「充電?」

「なんだそれは。レトリア。俺様にもそれを貸してくれ」

「ほい。スマホ二人分。これでも魔力使ってるから、壊したりはせんでな」


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