第98話 ミリア・ハイルデートはミリアである19
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誰かが、私の頭上で、話してるような気配がする。
でも、何だろう、身体に力が入らない……
夢? 夢かな……これ……?
嫌な気配じゃない筈なのに……
凄く寂しい気配がする。
矛盾してる……
寂しいは嫌な事の筈なのに。
あ、違う……
矛盾してるから、夢なんだ……
……
………
…………
「──リ……ア……!」
…………
……今度は……何か……声が聞こえる……
それから……ゆさゆさと……
私の身体を揺らされる感覚がある……
「……リア……!」
お母さんの声……
でも、頭がぼわんとしていて、よく聞こえない。
何とか、頭をフル回転させ、意識を集中する。
そして、ゆっくりと目を開けると──
「ミリア!」
私がこの20日間、見たくて聞きたくて仕方がなかった、元気なお母さんの姿があった。
「お……お母さん……お母さんッ!」
ふぎゅッと、ミリアは反射的にミトリに飛び付く。
「あらあら、甘えん坊ね」
そう言いながらも、ミトリはしっかりと両手で、ミリアを抱き返している。
「お母さん! 高熱で、意識が無くて、苦しそうに唸ってて、20日もそのままで、お医者さんも首を横に振ってて──そんなこと、今までなかったから!」
ミリアは少し泣きながら、少し興奮したように、ずっと頭の中に浮かんでた、心配事を全部声に出す。
「ごめんね、心配かけたわね。ありがとう。ミリア」
「……ひぐっ……どういたしまして。お母さん、具合は本当にもういいの? 熱は?」
「大丈夫よ。お陰さまで、熱も平熱よ」
優しく微笑むミトリは、心底、愛おしそうにミリアを撫でて、撫でて、撫でまくっている。
「お母さん、くすぐったいよ」
でも、とっても嬉しそうなミリア。
「お母さん、ご飯──お粥、食べられる?」
「え? えぇ……お粥あるの? こんな時間に?」
ミリアの『お粥、食べられる?』という言葉に、何故か、ミトリは凄く驚いている。
今の時刻は真夜中──丑三つ時だ。
こんな時間に、いつ目が覚めるか分からない、自分の為の食事が用意されているとは思わなかった。
「う、うん。お母さんが、いつ起きても良いように、毎日、三回作っておいたよ……? これは、昨日の晩に作っておいたやつだけど」
ちなみに、昨日のミリアの晩御飯は、昼に作ったお粥だ。昼食は朝に作ったお粥だった。
さらに朝食は一昨日の晩に作ったお粥だ。
ミリアはお粥を食べ終わっては、また新しいお粥をスライドして作っていた。
こうすれば、いつミトリが起きても、できる限り、新しいお粥を食べられるという、ミリアの気遣いだ。
「──食べる。食べるわ!」
ミトリは即答する。
「うん、ちょっと待ってて。直ぐ持ってくるね」
台所に走るミリア。
台所に着くと、お鍋を〝赤の結晶〟で火をかけ、お粥を温め直す。
そして、ミリアが、ふと気が付くと、
家の外は、雨がシトシトと降っていた。
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