第857話 魔王戦争ラフィメストス編7
「ぐほぉ!」
カラクリが血を吐き倒れる。
「後は脳だけのようですね」
決して油断はせずシラセはカラクリとの距離を詰める。
「小娘が、いい気になりおって!」
するとカラクリは魔力を全身に纏い力を入れる。
「不味い!? α、Ω、お願い!」
「もう遅い!」
バーン! と、魔力を解放したカラクリは一回りも二回りも大きくなって筋骨粒々のゴリマッチョになっていた。
二又の槍も大きくなっている。
「覚醒ですか。厄介ですね……」
そう言いながらシラセは軍帽を深く被り直す。
*
「シラセの方も厄介なことになってるな」
魔族程度の相手ならば今のシラセなら手こずることもないと考えてたが不味いな、魔族の中でも強い部類か。噂のサイハテ、現魔王サイハテのように。
「余所見とは余裕だな人間」
「それは余所見されるお前が悪い」
「抜かせ!!」
俺の言葉にカチンと来たのか、ラフィメストスは魔力を強く剣に込め、天高く剣を掲げると、魔法で出来たドでかい、3、4mはある剣がチェーンソーのように動きこちらに放たれる。
俺は剣を逆手に持ち変え、魔力を強く込め、下から上に登るように斬る。
「次はこっちの番だ」
俺はまた魔力を強く込め魔法を使う。
「〝真迦・鳳閻雫刃!!〟」
ザクリ! と、ラフィメストスを真っ二つに斬る!
予定だったんだがな。不味い防がれた。
無傷ではないが、これで決着を付ける予定だった俺は少し焦る。まあ、脳一つ破壊できたから上出来か。
「ガリアペストは今ので倒せたんだがな」
「あいつ何かと一緒にするな」
心臓一つと脳一つ破壊されたラフィメストスの表情から笑みが消えた。
ここからだぞ本当の戦いは!
*
シンカ村・外周延部
「くっ、強い……」
〝変異種〟のメタルヒュドラを相手に苦戦するツヅリの姿があった。
「うわぁ! また〝変異種〟だ! 次は蛇熊か! 何で腕が4つもあるんだよ!?」
ツヅリはメタルヒュドラで精一杯だ。
この村にはもう〝変異種〟と戦える者はいない。
ここまでか。
と、ツヅリが諦めかけたその時だ。
ドバン! と、魔力弾が、メタルヒュドラを撃ち抜く。
初めてここでメタルヒュドラが悲鳴をあげる。
「せっかくの休暇だというのに天使な私を働かせるとは、ジークパング王も中々胆が据わってるな」
宙に浮き、マスケット銃を構えた青みがかった長い黒髪の17歳ぐらいの美女が現れた。
「〝六魔導士〟マキシ・ジェシカ!?」
「ふむ、自己紹介の必要はなさそうだな」
思わぬ援軍に冒険者たちの士気が上がる。
「マキシ・ジェシカだぁ!」
「〝六魔導士〟だ!」
「うわ、超可愛い!」
やれやれと呆れるマキシを他所に冒険者たちは1人、また1人と戦った。
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