第854話 魔王戦争ラフィメストス編4
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シンカ村・村の外
「なんつー量だ……」
冒険者の一人が呟く。
無理もない。百鬼夜行どころか二千もの魔物と魔獸が村へと向かっているのだから。
「ビビっていても何も始まりませんよ。魔獸は私が相手をしますから、あなた方は魔物の討伐をお願いします」
背中に背負った大剣を抜きツヅリが先人を斬る。
「ツヅリちゃんに続けぇ!!」
ツヅリはまず先頭を歩いていたヒュドラに斬りかかる!
「その首、もらいます」
ザン、ザンと目にも止まらぬ速さで二本の首を落とす。
グギャアァと叫ぶヒュドラはツヅリに大きな爪で襲い掛かる。
だが、その攻撃がツヅリに届くことはなかった。
サッと最低限の動きでツヅリはヒュドラの攻撃をかわし、
「取りました」
大剣でヒュドラを真っ二つに斬る。
バリバリ、バーンと消えたヒュドラからドロップアイテムが落ちる。
「ドロップアイテムを拾ってる暇はありませんね。レベルの低い冒険者の方はドロップアイテムの回収を優先してください」
ふぅ、と息をつくツヅリ。
「この数、骨が折れますね」
と、その時だ。
「おいあれ見ろ!」
「シラセちゃんの〝人工精霊〟だ!」
「流石にαとΩは居ないが他の子たちが100体はいるぞ!」
「頼もし過ぎる! お前ら、シラセちゃんが魔族と戦ってくれてるんだ! 俺らも負けちゃいられないぞ!」
「待て、魔王は誰が相手してるんだ? まさかそっちもシラセちゃんが」
その言葉に反応したのはツヅリだ。
「いえ、魔王は稗月倖真が押さえてます」
「稗月倖真が!? まさか本当に人類の味方なのか!?」
「どのみち、シラセさんでも魔王と魔族を同時に相手をすることは難しいでしょう。この村は稗月倖真に賽は振られました」
ザン! と、メガワイバーンを斬りながらツヅリが言う。
「チッ、どいつもこいつも稗月倖真かよ!」
「荒れてるな、アラン」
「いや、そうでもないギルドの酒場では少し飲み過ぎて稗月倖真に絡んじまった。今は反省している」
「レベル40越えのお前を素手でなんなくワンパンだもんな。その気になれば殺すこともできたろうに」
「う……すまん」
そうこうしている間にシラセの〝人工精霊〟たちが魔物をほふっていく。
透明な動物の形をした〝人工精霊〟たちはウサギやタヌキ、狼の姿のものまでいる。
これがやたら強い。ウサギは衝撃波をつかい、たぬきは口からレーザー、狼は適当な大岩なら軽く噛み砕く顎を持っている。
おかげで、
「いいぞ! もう100体は倒したぞ! それにこっちの損害はまだ0だ!」
指揮は高いこの場のものはイケると思った。
カンの良いツヅリ以外は。
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