第853話 魔王戦争ラフィメストス編3
「一刻を争います。戦う意思がある者はついてきなさい」
ツヅリが言う。
「俺も行くぞ! 女、子供に任せっきりにできるか!」
「俺もだ! シラセちゃんも心配だ」
「シラセちゃんが魔王と魔族の両方を押さえているのか?」
「いや、魔王は稗月倖真が戦ってるらしい」
「稗月倖真が!? 魔王討伐を目的にしてるのは本当なのか?」
「何にしろ俺たちじゃ魔王と魔族は押さえられない。魔物と魔獸の討伐に当たるぞ! ドロップアイテムは山分けだ! 行くぞ!」
「「「「「「「「おう!!」」」」」」」」
*
シンカ村・シラセの家付近
「私の相手は魔族カラクリですね。ユキマサさんが居てくれて本当によかった。私一人では間違えなく負けていました」
軍帽を深く被り直しシラセが言う。
ユキマサが居なかったら10分持たなかっただろうと思うとシラセはゾッとした。
「ラフィメストス様にお前の心臓を! ふひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」
「返り討ちにしてあげます。α、Ω、皆、お願い!」
犬神のα、白龍のΩ、それと透明な様々な動物の形をした〝人工精霊〟が現れる。
100体はいる。
「αとΩは私と魔族を! 他の皆は村に向かって来る魔物と魔獸の相手をお願い!」
シラセの言葉で一瞬で〝人工精霊〟たちが動き出す。
「〝人工精霊〟使いか。懐かしいな」
「カラクリ。私以外に〝人工精霊〟使いと遭遇を?」
〝人工精霊〟を扱えるものは非常に少ない。生まれつきの素質が無いと扱えない。努力でどうにかなるものでも無く、血縁も関係ない。数で言うなら〝幻霊種〟に負けず劣らず少ない。
「昔な。男だったが美味だったぞ」
美味だった。と言うことは負けて心臓を取られたと言うことだ。
生々しい言い方にシラセは生理的に無理と言った顔をする。
「ならば、時を越えて私がその方の無念を晴らしましょう。こちらから行きますよ。魔族カラクリ」
バッとシラセは腰の剣を抜き、カラクリに飛びかかる。
カラクリは顔色一つ変えず、二枚の蛾のような大きな羽を羽ばたかせる。
すると二人の間に白龍のΩが入り込み光を放つ。
「毒ですか。ありがとう。助かりました。Ω」
「いい〝人工精霊〟だ。おれも本気を出さなきゃみたいだな」
すると魔族カラクリは何もない空間から二又の槍を取り出す。
「次はこちらから行くぞ」
くるくると槍を回しハッ! と、シラセに飛びかかるカラクリ。
シラセはそれを剣で受け止める。
その隙にカラクリの背後に回り込んだ犬神のαが口から光線を放ちカラクリの羽を貫く。
「うっ!?」
初めてここでカラクリがダメージらしいダメージを受けた。
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