第852話 魔王戦争ラフィメストス編2
*
シンカ村。
そこでは群を抜いて強い二人が剣を交わしていた。
「速すぎて目に追えない……」
クレハが呟く。
「やるな。人間、私の剣技についてくるとは」
ラフィメストスは心から感心していた。
自分と渡り合える人類の存在に。
「まだまだ本気じゃねぇぞ? 付いてこれるか?」
俺はもっと加速していく。
が、ラフィメストスは俺の速度についてくる。
「まだまだ!」
「これならどうだ?」
うっ……!?
「ユキマサ君!?」
何だ……息が……
『ユキマサさん下がってください! ラフィメストスの半径3mは空気を失くすことができます』
桜を返してのシラセの〝精神疎通〟で俺は4mほど下がる。
「空気がない程度で動けないとは、所詮下等生物といった所か」
やっぱ魔王って呼吸いらないのね。
そういや〝幻霊種〟はトイレいかないみたいだけど呼吸は必要なのかな?
今度、黒芒に聞いてみるか。
つーか、さっきから黒芒を起こしてるのに俺の影の中で爆睡していて全く起きる気配がない。
肝心な時に役に立たないやつだ。
まあ、役に立つ、立たないで連れてる訳じゃないが。
「その下等生物に倒されるお前は何なんだろうな!」
「ほざけ」
ラフィメストスは剣を高くあげる。
すると6つの3~4mの炎弾が現れる。
「魔法か?」
その一つが俺に向かい放たれるのだが、無論俺はそれを斬りに行くが……
(おっも……)
見た目よりも質量が半端ない炎弾に苦戦する。
「ほう、これを斬るか」
間いれず2発目を放つラフィメストス。
でも、一回慣れちまえば対処は簡単だ。
さっきよりも魔力を強く纏い炎弾を斬る。
ラフィメストスは顔色を変えず残り4発の炎弾を放ってくる。
不味いな、1発でも斬り損ねれば辺りは焼け野原だぞ!?
俺は月夜に魔力を込め魔法を使う。
「〝四篩・創天覇紋刃〟!」
4つの飛ぶ斬撃が炎弾を切り裂く。
「!?」
俺の魔法が意外だったのか、ここで初めてラフィメストスは驚きの顔を見せた。
*
シンカ村・ギルド
「おい! さっきの爆発音は何だ!?」
「シラセちゃん家の方じゃないか!」
「魔王が出たらしいぞ! 魔族もだ!」
「ら、ラフィメストス……」
冒険者たちから焦った声が集まる。
「大変だ! 村に向かって大量の魔物と魔獸が」
「めちゃくちゃだ! 逃げることも出来ねぇ」
すると冒険者の中から声が上がる。
「ならば戦いなさい。私は行きますよ」
17歳ぐらいの水色の長い髪の少女だ。
「氷海の魔女……ツヅリ・ノフト……」
「ツヅリだと!? こんな少女が」
ザワザワとギルドがざわめく。
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