第850話 魔王戦争ラフィメストス編1
「クレハ、桜とシラセの両親を連れて放れてろ」
「うん。分かった。ユキマサ君気を付けて」
すると桜がシラセに話しかける。
「あ、シラセさん少し待ってください。手を」
「? あ、はい」
桜がシラセの手を繋ぐ。
「私のスキルです。これで私を介してユキマサさんと〝精神疎通〟が可能です。少しでも役に立てれば」
「ありがとうございます。桜さん。助かります」
はい! と、役に立てるかもと桜は嬉しそうに返事をする。
「随分、静かだな魔王サマ」
一連のやり取りをラフィメストスは傍観していた。
何を考えているのかその場を動こうとしない。
「最後ぐらい別れのあいさつぐらいまってやる」
「そっくりそのまま返すぜ。カラクリと最後の会話でもしなくていいのか?」
沈黙。言ってる意味が分かってないようだ。
「さっさと済ませるぞ。人間」
腰の剣を抜き、飛ぶ斬撃を放ってくる。
てか、魔王って剣使うの?
ザン、ザンと俺も〝アイテムストレージ〟から月夜を取り出し、飛ぶ斬撃で、ラフィメストスの攻撃を防ぐ。
「ふむ、手を抜いたが、簡単に防ぐか」
これならどうだ? と、ばかりに剣を空高く掲げ無詠唱魔法を使う。
雷系の魔法だ。範囲も威力も強い。
俺は直ぐに月夜に魔力を十分に込め、また飛ぶ斬撃でラフィメストスの攻撃を防ぐ。
「やるな」
「次はこっちから行くぞ?」
そうして魔王戦争は続いていく。
*
〝中央連合王国アルカディア〟
「魔王が出ただと? 本当か、ジークパング?」
昼間だと言うのに叩き起こされたヴァンドールは少々機嫌が悪い。
「事実だ、先程シラセから連絡があった」
「ジークパング王、さしてこちらの戦力は?」
そう尋ねたのは〝六魔導士〟の一人、ヒルグラム・パンサーだ。
「シラセと……」
「シラセ殿と?」
「稗月倖真だ」
ザワザワと場がざわつく。
今小の場にいるのは〝三王〟と〝六魔導士〟のヒルグラム、パンプキック、ヴァジラだ。
「まあ! ユキマサさんが一緒なら安心ですね」
「ユリィよ。それが問題なんだ」
シアナが失脚し、新たに〝三王〟となった、ハイエルフのユリィ・ドットマダムが明るい声で話す。
「シラセ一人ではラフィメストスの討伐は困難と判断した。だから稗月倖真に私個人から頼んだ。力を貸してくれと。普通ならば〝アルカディア〟から指名手配犯に力を要請するなど前代未聞。だから、せめて私個人からの頼みなら私一人の責任でことが着く。犠牲者も大幅に減らせるだろう。私の面目一つで一人でも多くの民が救われるなら安いものだ」
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