第849話 シンカ村13
「魔王ラフィメストス!? あいつがか?」
ガリアペストと違って完全に人型だな。
「直ぐ〝アルカディア〟に連絡を!」
シラセは〝通信石〟を取り出し、通話をかける。
『シラセかどうしたんだ?』
「ジークパング王、魔王です。魔王が現れました」
『ッ!? なんだと!? お主今どこにおる?』
「故郷のシンカ村です」
『残存戦力はどれほどいる?』
「現在魔王と戦うことが出来るのは、私と……ユキマサさんぐらいです」
俺の方を申し訳なさそうにシラセが見る。
『稗月倖真か……通話を代わってもらえるかの』
「え、あ、はい。ユキマサさん、ジークパング王が通話を代わってほしいと」
「うん? 貸してみな」
『稗月倖真か。私は〝三王〟の一人、ジークパング・ネモゴールドだ』
「はじめましてでいいのか? で、俺に用とは?」
『指名手配をしておきながら、恥を忍んで頼む。魔王討伐に協力してほしい。これは〝アルカディア〟ではなく私個人の願いだ。どうか……』
なるほど。人類の最高権力を有する〝アルカディア〟からの依頼ではなく、ジークパング個人の依頼ならまだ面目は立つってワケか。
『虫がいいことを言ってるのは重々承知だ。だがそこを何とかお願いできないだろうか?』
ジークパングの声は少し震えていた。
「あんたに頼まれずともそのつもりだ。魔王は俺が倒す。それが俺とあいつとの約束だ」
『か、かたじけない』
「そろそろ時間だ。切るぞ」
魔王がこちらを向いてきたので俺はサッと通話を切り通信石をシラセに返す。
「シラセ・アヤセだな。私はお前の心臓を貰いに来た。だが、妙なのがいるな。そうかガリアペストを倒したのはお前だな」
ラフィメストスが口を開く。
どうやらガリアペストと違い知能も高そうだ。人語もペラペラだし。
「そうだ。ガリアペストを倒したのは俺だ。それとシラセは渡さない。諦めな」
「強いな人間。お前の心臓も美味そうだ」
う~、きっしょ。心臓が美味そうなんていくら言われても慣れないね。
「ラフィメストス様。私めにもお手伝いを」
空から現れたのは仮面ライターのような人型の体型にモスマンみたいな羽の生えたやつだ。
あれも強いな。魔族か。
「カラクリ。丁度いい。お前はシラセ・アヤセの相手をしろ。油断するなよ。俺はそこの男を倒す」
「かしこまりました」
カラクリと呼ばれた魔族はシラセに臨戦態勢を取る。
「勝手にマッチングを決められたな。戦えるかシラセ?」
「はい。勿論です。巻き込んでしまって本当に申し訳ありません」
★★★★★★作者からのお願い★★★★★★
作品を読んで下さり本当にありがとうございます!
・面白い
・続きが気になる
・異世界が好きだ
などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!
(また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)
★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!
長々と失礼しました!
何卒よろしくお願いします!




