第848話 シンカ村12
*
シラセの家はみかん畑の向こう側にあった。
煉瓦作りの二階建て煙突まであったよ。
「綺麗な家だな。清潔感溢れて以下にもシラセが住んでそうな家だな」
「ありがとうございます。古い家ですが清掃は怠って無いんですよ」
嬉しそうに笑うシラセ。ホント可愛いなこいつ。
「お父さん、お母さん、ただいま帰りました。それとお客さんです」
優し気な雰囲気の黒髪の男性と赤茶色の長い髪の女性が迎える。二人とも若いな。30代に見えるぞ。てか、シラセママ若っ、超美人!
「お帰りシラセ。いらっしゃい。ユキマサ君たち〝大都市エルクステン〟の〝魔王戦争〟では家のシラセが助けて貰ったようでお礼を言うよ。ありがとう」
思ったよりフレンドリーに接して来るシラセの親父さん。
「ああ、とんでもない。シラセにはこちらもとてもお世話になっています」
「そんな気を使わないでくれ。敬語も敬称も不要だ。私はイッタゾ・アヤセ、そしてこっちが妻の」
「クローテル・アヤセです。よろしくね。あ、そちらのお嬢さん方は」
シラセママのクローテルはクレハと桜に目を向ける。
「あ、すいません。申し遅れました。私はクレハ・アートハイムです」
「すいません。時伽桜です」
二人してペコリとお辞儀をする。
「ああ、ごめんなさいね。頭をあげてくださいな。クレハちゃんと桜ちゃんね、よろしく」
シラセは母親似だな。笑った顔がそっくりだ。
「さあさ、上がってください」
「お邪魔する」
「「お邪魔します!」」
イッタゾに案内されシラセの家に上がらせて貰う。
テーブルに着くとシラセが俺があげた、メロメロンとシャリシャリ梨を綺麗に切って出してくれた。
「イッタゾ、俺の話しは新聞で見てるだろ? 金貨4万枚の賞金首を家に入れていいのか?」
「シラセの命の恩人に何を言う。私たちは君の味方だよ。っと、シラセは立場的に堂々と言えないか」
クローテルが煎れてくれた冷たい麦茶を飲みながら俺はそんな話しを聞く。
と、そんな時だ、
「ッ!?」
「どうしたんだい?」
「伏せろ」
「?」
「伏せろッ!!」
ドッカーーーーン!!
何かが庭に落ちた。
余波で家も半壊してる。
「何があったんですか!? 皆無事ですか!!」
「それは外に出て見れば分かる」
強いな。ガリアペスト以上か。
みかん畑が火の海になっていた。
火の海の中に人影がある。
甲冑に黒いマント30代ぐらいにみえる金髪のこの男は何だ!?
こいつはヤバい……
そこらの魔族が可愛く見える。
「魔王ラフィメストス……」
なぜこんな場所に信じられない。
と、ばかりにシラセは呟いた。
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