第847話 シンカ村11
*
俺たちはシラセから貰った地図を頼りにシラセの実家を目指す。
「シラセの実家は俺たちがさっきいた所と丁度反対にあるんだな」
「あ、ホントだ。北と南で端と端だね」
可愛らしく俺の手の地図を覗き込みながら言う。
ちなみに黒芒は桜の頭を一撫でした後に俺の影に潜り寝ている。
「ねぇ、ユキマサ君。シラセさんに何かお菓子でも持っていった方がいいんじゃない?」
「そうだな。でも菓子か。俺の〝アイテムストレージ〟には無いしな。消えもののがいいだろうし、あ、ミリアに貰った果物があったな」
メロメロンとかいいかもな。
普通に美味しかったし。
後はシャリシャリ梨とかか?
「あ、いいね! ミリアの家の果物どれも絶品だから」
クレハも賛成してくれる。決まりだな。
*
「ここか?」
地図と照らし合わせて見るとみかん畑に着いた。
「ユキマサさん!」
みかん畑からシラセが現れた。
「おはよう。シラセ。朝から悪いな」
「いえ、来てくださって嬉しいです。奥に家があるので案内します。両親にも紹介しますね」
何だか嬉し気なシラセは俺たちを案内する。
「みかん畑はシラセの家のか?」
「はい。家はみかん農家なんですよ」
「そうか。いい所だな。あ、これ土産だ」
と、俺は〝アイテムストレージ〟からメロメロンとシャリシャリ梨を渡す。
「わ、ありがとうございます。こんな気を使わなくてよかったですのに」
「俺も貰い物だ。気にすんな」
「ありがとうございます。では、遠慮なくいただきますね。あ、お返しにはなんですが、畑のみかん、好きなだけ取っていってください。クレハさんも桜さんも遠慮せずにどうぞ」
両手にメロメロンとシャリシャリ梨を抱えたシラセが言う。
「じゃあ遠慮なく」
「ありがとうございます。シラセさん」
「ありがとうございます」
手近なみかんを一つ取ると、
「みかんにしては大きいな」
デコポンとかはっさくぐらいあるぞ?
「はい。大みかんといってその名通り大きいんです」
一つ、口に運ぶと、
「美味いな! 凄く甘い」
「う~ん、美味しい♪」
「甘くて美味しいです!」
クレハと桜も気に入ったようだ。
「嬉しいです。どんどん貰って行ってくださいね」
実家のみかんを誉められて、嬉しい様子のシラセはめっちゃ可愛い。
「いいのか? 俺は遠慮しないぜ?」
「はい♪ 勿論です」
というワケでみかんを20個ほど取っていただき〝アイテムストレージ〟にしまう。
遠慮しないと言ったがみかん畑は広大なのでパッと見は遠慮したように見える。
田んぼ10反ぐらいある。
「家はこっちです。足元気を付けて下さいね」
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