第845話 シンカ村9
「美味いか?」
「はい! 凄く! 鰹節と昆布にこんな使い方があるとは……」
「この世界には出汁って文化が無いんだもんな。シラセはレシピ覚えてくれたか?」
「はい。勉強になりました!」
シラセは更に豚汁を口に運ぶと「♪」と、ご満悦だ。
ちなみにクレハはハンバーグに夢中こちらも「♪」としている。
「美味いが酒には合わなそうじゃの」
「お前は本当に酒好きだな。黒芒」
「当たり前じゃ。酒は妾の命じゃからの」
そう言いながら黒芒も豚汁を口に運ぶ。
「不思議な感覚です。あの〝千妖〟と食事を取ることになるとは……」
「黒芒で良い。小娘は確かシラセと呼ばれておったの」
「あ、はい。黒芒さん。私のことはシラセとお呼びください。フルネームはシラセ・アヤセです」
「うむ、よろしく頼むぞシラセ」
その後もワイワイと楽しい食事が続く。
「ゆ、ユキマサさん。あの、豚汁のお、おかわりを貰えませんか?」
恥ずかしいのか、照れ臭いのかシラセが言葉を噛みつつ、おかわりを頼んでくる。
「ハハハ、好きなだけ食べな」
「あ、ありがとうございます///」
何も聞かずに大盛にしとくと、またシラセは「ありがとうございます///」と、言った。
*
「「「「「ご馳走さまでした!」」」」」
俺たちは大満足の食事を終える。
「シラセはここの村の出身だと聞いたが、家族は?」
少し気が引けたが俺はシラセに問う。
「はい。父と母がいます」
「そうか、よかった。残りの豚汁持ってきな。まだ鍋半分ぐらいはあるだろ」
「いいんですかッ!? ハッ、すいません……」
顔を赤くし、軍帽を深く被り直す。
「喜んで貰えて何よりだ。そろそろ夜も深くなる。遅くなる前に家に帰りな」
「そうさせて貰います。本当にご馳走さまでした。あ、よければですが、明日家に来て貰えませんか? 豚汁のお礼もしたいので」
そう言いながらシラセは地図を渡して来る。
「この地図の場所がシラセの家か?」
「はい。是非来てください」
「分かった。明日寄らせて貰うよ」
シラセを見送ると俺たちは風呂に入ったりして寝る準備をする。
黒芒はやはりこれから飲むらしい。
「黒芒、一緒していいか?」
「ぬ、勿論じゃ! 一緒に飲もうぞ」
嬉しそうな黒芒。
一人で毎日飲んでても詰まらないだろうしな。
「あれ? ユキマサ君も飲むの?」
「ああ、悪いな。クレハもどうだ?」
「私はお茶で。桜ちゃんはオレンジジュースかな?」
「はい。私はオレンジジュースをいただきたいです」
こうしてプチ飲み会が始まり夜は更けていく。
色んな話しをした。深夜0時にはクレハと桜は寝落ちしていた。俺はもう少し黒芒と飲むかな。
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