第836話 カレー2
*
「「「いただきます!」」」
「うむ、いただきますじゃ」
カレーは幸せの象徴の食べ物だと聞いたことがある。
それは本当なのかもしれない。
だってこんなにも俺は今幸せなのだから。
誰かと食べるカレーは最高だぜ!
……あ、いえ、金貨四万枚の賞金首でしたね。カレーとか言ってる場合じゃないよな。反省反省。
「あ、おい、黒芒、人参弾くな、ちゃんと食べろ!」
「野菜は嫌いじゃ。主様にやる」
「おいおい、いいのか? その人参の皮を剥いたのは桜だぞ? な、桜」
「あ、はい。頑張って剥きました……!」
「むぅ……主様め、桜を使うとは卑怯な……」
「別に卑怯じゃねぇよ。で、どうすんだ?」
「食べればいいのじゃろう……いただきますじゃ」
渋々ながら人参を口に運ぶ黒芒。
「ん? 何じゃ、意外とイケるものじゃの」
そう言って黒芒はもう一つ人参を口に運ぶ。
食わず嫌いだったのか?
「このカレーが人参と愛称がいいのう。勿論、桜が剥いてくれた人参と言うこともあるがの」
「確かにカレーに入ってる野菜は美味いよな」
野菜嫌いな子供でも、カレーだとちゃんと食べることは少なからずある。
まあ、これを言うと黒芒は『妾を子供扱いするでない』とか言いそうだから黙って置くけど。
「俺はおかわりするかな」
「あ、私も食べたい」
既に空になった皿を持ちながらクレハが言う。
「あの……私もおかわりしていいですか?」
「勿論だ。皿貸しな」
恐る恐るにおかわりを所望する桜に俺は何だか、距離が近くなった気がして嬉しかった。
「ありがとうございます♪」
桜は桜の咲くように笑った。
「妾もじゃ」
「はいよ。ちょっと待ってな」
黒芒の皿には人参を多めに入れといたが、黒芒は特に何も言わなかった。
*
「「ご馳走さまでした!」」
「ああ、ご馳走さま」
「ご馳走さまじゃ」
結局、俺は4皿、クレハと桜は2皿、黒芒は3皿と大満足の夕食となった。
カレーは美味いよな。そーいや昔親父に『カレーって世界に何種類ぐらいあるか知ってるか?』と、聞かれたことがあった。
無知な俺は『100種類ぐらいか?』と答えたら、親父はどや顔で『家庭の数だけあるのさ』と、言った。
「よし、まだカレー残ってるな」
多めに作っといたから残りは半分といった所だ。
「ユキマサ君まだ食べるの? ごはん装う?」
「いや、今日はもういい。知ってるか? カレーってのは1日後が一番美味いんだぜ」
「え、そうなんだ。だからたくさん作ったんだね」
「まあな、米はまた明日炊こう」
「うん!」
とまあこんな感じで本日の異世界カレーは終了した。俺たちはもう寝る準備だが、夜行性の黒芒は今から飲むそうだけど。
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