第835話 カレー
*
シルヴィアに国の出入口まで送ってもらい、国を出ると次の街を目指す。
「クレハ、次の街はどこだ?」
「えーと、このまま進むと〝シンカ村〟かな。二日もあれば着く筈だよ。あれ? 〝シンカ村〟って何だっけな? 何か忘れてるような」
う~んと可愛く首を傾げるクレハ。
「ま、行ってみれば分かるだろ」
「うん!」
桜は箒に乗り、クレハは〝空間移動〟のスキルを使い、俺の足に着いてくる。
「日が落ちて来たな。今日はここらで止めとくか」
「そうだね。私お腹すいて来ちゃった」
「私も賛成です。私もお腹すきました」
というワケで森の中、適当にスペースを見つけ〝アイテムストレージ〟から家を取り出し、家の回りに結界を張り家に入る。
「今日はカレーにしようぜ〝ユグドラシル〟でカレー粉買ってきたから」
そう、俺は〝ユグドラシル〟でこの世界にもあったカレー粉を手にいれていたのだ。
匂いを嗅いだが、ザ・カレー。懐かしきカレーの香りに俺は即ありったけのカレー粉を買った。
親父も好きだったなカレー。後、ハンバーグ。子供か! って、突っ込みたくなるが、親父曰く、カレーとハンバーグが好きなのが子供なのではなく、カレーとハンバーグを食べると誰でも子供に戻るのだそうだ。
たまにでる、親父の意味不謎理論だ。
「カレー? 昔、食べたことあるけど、久しぶりだな」
「何だ、カレーってポピュラーじゃないのか?」
「エルフの国だとポピュラーだけど、他の国ではあまり食べないかな。あ、でも〝ハラゴシラエ〟で季節替りでカレー出ることあるよ」
「カレー、美味いのにな。桜はどうだ?」
「私は食べたこと無いです」
「お、じゃあカレーデビューだな」
「はい、楽しみです!」
ということで第何回か異世界クッキング。
クレハに白米を任せ、俺と桜でカレーを作る。
器用に桜は包丁を使い、人参やジャガイモの皮を剥いていく。
剥いた野菜を俺が食べやすいサイズに適当に切る。
油を熱し、牛肉、玉ねぎ、じゃがいも、にんじんを入れ、肉に焼き目がつき、玉ねぎがしんなりするまで炒める。
水をいれてカレー粉を入れ隠し味にハチミツを加えれば後は煮込むだけだ。
「いい匂いだね!」
「何か食欲を掻き立てれます」
カレーのイイ匂いが家に充満する。
コトコト30分ほど煮ると完成だ。
「クレハ、白米はどんな感じだ?」
「うん、バッチリだよ! 装うね」
クレハが白米を盛り、それに俺がカレーをかけ、桜がスプーンと水を用意する。
「おーい、黒芒、飯だぞ」
するとスルリと俺の影から黒芒が出てくる。
「何やらイイ匂いじゃの、妾もいただこうか」
ということで黒芒も食事に参加。
四人で楽しくテーブルを囲んだ。
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