第833話 変わる世代
*
〝ユグドラシル〟
「あいつら、無茶しやがって!」
「ユキマサ君、賞金額が四万枚になってるよ!? というか、黒芒さん賞金首だったの? しかも金貨三万枚!」
「妾は賞金に興味はない」
てか俺、日本円で四十億の首になっちゃったよ!! ごめん、アルテナ。
「全面戦争になるぞ」
ハッピーエンド同盟。確かにあの時、結成したが、まさかこんな形になるとは。
「シアナの失脚で私に〝三王〟への加入命令が来てるわ。私はそれに乗るつもりよ」
「お母様に!?」
「〝三王〟のエルフ代表はハイエルフと決まってますからね」
へぇ、じゃあシアナもハイエルフだったのか。
「ノアに連絡してみるか」
と、言うことで俺は〝通信石〟を取り出しノアの番号にかける。
ツーコールでノアは出た。
「ユキマサ君、よかった。ちょうど今私も連絡しようと思ってたんだ」
「そうか、じゃあ、お先にどうぞ」
「まずいちばん重要なことを言うね。今日〝神託〟で見たんだけど、魔王キビが死んだ」
「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」
「どう言うことた!? 誰がやった!?」
「やったのは魔族サイハテ、いや今は魔王サイハテかな」
「つまり、仲間割れでサイハテがキビの魔王石を食ったってことか?」
「簡単に言うとそうかな。相当強いよサイハテは私の母、先代の大聖女も食われてる」
いつもマイペースなノアだが今日は怒ったように寂しいように見える。
「ごめん、誰か来たみたい。またかけ直すね」
「あ、おい、ノア!」
ガチャリと通話が切られた。
確かじゃないが最後ノアは泣いていた気がする。
*
一日前、魔王領〝ツテバラ〟
「はぁ、はぁ……てめぇ、なんのつもりだ」
息を切らしキビは相手を睨み付ける。
「お前じゃ魔王は役不足だ」
六本の腕を組み、全身毒々しい紫色の魔族サイハテはキセルを吹かしながら淡々と告げる。
「ふざけるなァ!!」
斬りかかるキビにサイハテは余裕の表情で難なく片手で止める。
「〝天聖〟の〝五兄弟〟が相手とは言え、無様に逃げ帰って来たお前に魔王の資格はない」
残りの五本腕でキビを持ち上げると、キビが声になら無い声をあげる。
「クソッ! 毒か!? ああァァ! 脳に心臓に侵食していく!!」
「じゃあな、クソ野郎」
ドバン! と、第三宇宙速度で放たれた拳が腐食し弱ったキビの身体を破壊する。
「これが〝魔王石〟か」
消えたキビの身体から落ちた〝魔王石〟を口に運ぶサイハテ。
サイハテの元からあった凄まじい魔力が更に高まる。
「フハハハハハ!! 俺の時代だァァァァ!!」
★★★★★★作者からのお願い★★★★★★
作品を読んで下さり本当にありがとうございます!
・面白い
・続きが気になる
・異世界が好きだ
などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!
(また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)
★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!
長々と失礼しました!
何卒よろしくお願いします!




