第831話 ハッピーエンド同盟
ドッシャアァァァァァァァン!!
人類最後の〝魔術柱〟が壊れる。
「あ、悪夢だ……」
「おっと、すまん、すまん、手元が狂った」
「貴様、どういうつもりじゃ!」
「手元が狂ったといっておろう。寛大な心で許すがよいぞ!」
「シアナ女王! この一件はそなたにも責任があるぞ!」
「……ごめんなさい」
シアナの平謝りである。
「このような者〝王国魔導士団〟に置いておけるものか!」
「待て。今の戦力は惜しい。敵に回ったら厄介ではないかの?」
「ヴァンドール王、しかし……」
「鴉羽、主に問う。人類の味方をする気はあるか?」
「愚問だ。我はダークヒーローを目指す!」
「だそうだ。今回の一件はもう取り返しがつかない。シアナ、お前が責任を取れ」
「三王を辞任しろということかしら?」
「そうだ。そして〝新六魔導士〟を結成する」
「……分かったわ。鴉羽、人類を任せたわよ」
「礼を言わせて貰おう」
するとそこに来訪者が現れた。
「現在会議中です。いくらあなた様でも……」
兵士たちが慌てて止めに入る。
「悪いけど、退いて貰えるかな」
次の瞬間、金縛りにあったかのように兵士たちの動きが止まる。
ノアのスキル〝言霊〟だ。一定以下の戦闘力が無いと、ただの言葉にすら逆らえない。
ドバンッと扉を破壊しノアは会議室に入る。
「やあ、本当にお邪魔するよ」
いつもと違う雰囲気の彼女に緊張感が走る。
「思った以上に厄介なことになってるようだね〝魔術柱〟の破壊は予想外だ」
「大聖女!? 何の真似だ!?」
ジークパングが慌てる。
その隣で尚も不適に笑うヴァンドール。
「宣戦布告に来たんだ。私たちは稗月倖真君を支持する。彼は人類の存続を左右する」
「何を……宣戦布告!? 〝アルカディア〟と戦争をすると言うのか!?」
「ジークパング、少し待て。まだいる」
ヴァンドールが慌てるジークパングを制す。
「このような場に失礼します」
どこか胡散臭い声で男は言った。
「〝英雄〟ロキ・ラピスラズリ……まさか人類最大のギルドまでもが寝返ったと言うのか!?」
その後ろからも男が入ってくる。
「パングさん、俺もこっち側っすわ」
「チャッチャラー!?」
「俺はあの方に己の命より大切なものを救って貰いやした。俺はあの方に刃は向けらんねぇっス。そんな腕なら切り落とした方がましなんスよ」
「また稗月倖真か!? 奴が何だというんだ!?」
「ここに改めて宣言するよ。我ら〝ハッピーエンド同盟〟我らの素晴らしき総大将の為に、人類の為に〝アルカディア〟に宣戦布告をするよ」
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