第828話 ユグドラシル29
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素早く避難が終わった頃、そいつらはやって来た。
「来たわね」
空を飛ぶ三体のカリブデュス。くじらにクラゲの足を生やしたような巨大生物だ。
二体は10m程度〝変異種〟は15m程度だ。
「まずは取り巻きを仕止めましょう〝変異種〟は後回しです」
ソフィアがそう言った瞬間、カリブデュスが動いた。
口から光線を出す。あのパチもんくじら光線出すのかよ!?
威力は通常個体でも中々だぞ!
「私が受け止めます。チェリッシュとガリーは攻撃に回ってください〝黒の障壁〟」
「「了解!」」
ソフィアが魔法を放つ。
黒い雲のような物がカリブデュスの光線を防ぐ。
完璧だな。余計な力を使わずに最小限の魔法で見事に相殺させた。
「先行くわよ!」
空飛ぶカリブディス目掛けてチェリッシュが跳躍する。
「天下一刀流・弐式〝百合丹頂鶴〟!」
居合い斬り。威力は抜群だ。
硬いカリブデュスの鱗をざっくり斬った。
「この〝翠月〟に斬れぬ物無し。流石は〝剣斎〟エルルカ・アーレヤストの〝雪月花シリーズ〟ね」
へぇ、あれエルルカの作品だったのか。
「ねぇ、チェリッシュ、あれ使っていい?」
「いいわよ。回りに人も居ないし」
「了解!」
吸血鬼なのでデフォで飛べるガリレオンはカリブデュスに急接近し、思いっきり息を吸う!
「〝銀世界〟!」
するとガリレオンを中心に銀の風、氷の礫が吹き荒れる。
「氷光線!」
チェリッシュの斬った、カリブデュスに氷の光線が命中すると、あっという間にカリブデュスがカチカチの凍り漬けになる。それを、
「はい、一丁あがり」
と、ドバンと凍ったカリブデュスを割る。
バリバリ、バーンと消え、倒されたカリブデュスから〝ドロップアイテム〟が落ちる。
「〝ドロップアイテム〟の回収は後。残りを先に片付けるわよ」
「「了解!」」
まだガリレオンの放った〝銀世界〟なる魔法は健在だ。
「もういっちょ! 氷の光線!」
亜音速で放たれたガリレオンの攻撃は面白いぐらいにハマる。
「はい、二体目!」
これまたドバン! と、凍り漬けになったカリブデュスから氷ごと割れ倒される。
「あれー、ドロップアイテム無しかぁ。残念」
「ガリー、気を抜かないで下さい。次は〝変異種〟ですよ」
「はぁ~い。お腹空いたなぁ」
ヴォォォォン!! と、カリブデュスの〝変異種〟が吠える。
たったそれだけなのだが、回りの草木が枯れる。無事なのは〝逆さ世界樹〟ぐらいだ。
「天下一刀流・参式〝紫陽花鷺〟!」
二斬の飛ぶ斬擊がカリブデュスの〝変異種〟を襲う。岩でも紙のように斬れる威力だ。
命中し、身を削ぐが直ぐに回復してしまう。
「一筋縄では行かないようね」
悔しそうにチェリッシュは呟いた。
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