第826話 ユグドラシル27
*
「チェリッシュ、チェリッシュ、飲みすぎですよ」
テーブルに突っ伏したチェリッシュを、まだまだ余裕そうなソフィアがゆさゆさと起こす。
「んっ……ソフィ……今何時……?」
「もう0の刻を過ぎましたよ」
「お水ちょうだい……」
「水は俺が用意しよう」
飲み過ぎたチェリッシュに俺は〝アイテムストレージ〟から取り出したリリリの山の水を取り出し渡す。
「美味しい……おかわり……」
「はいよ」
おかわりを汲んでやると、両手で木樽を可愛らしく持ち、クピクピと飲み始めた。
「すいません。チェリッシュを寝室に運びます」
ソフィアがチェリッシュに肩を貸し寝室へと運ぶ。
「チェリッシュもだらしないのう。この程度で酔いつぶれるとは」
全然余裕そうな黒芒は酒を呷る。
「いや、結構飲んだと思うぞ。黒芒とソフィアが異常なんだよ」
「主様ものう」
チェリッシュを寝室に運んだソフィアが戻って来ると、再度乾杯をする。
ちなみにガリレオンはまだ食べてる。
凄いなミリア並みかそれ以上だぞ。
「ユキマサさん、異世界はどんな所なんですか?」
「異世界の話か、話てやりたいが、先約があるんでな。今は詳しくは話せない。一つだけ教えておくと、魔法は無い、代わりに科学が発達している」
「先約ですか、興味本意で聞いてみても?」
「ん? 斑という男だ」
「!! 斑と言うと、まさかあの〝天聖時代〟から生きていると噂の男ですか?」
興奮したように椅子から立ち上がり、俺の方に身体を乗りだしたソフィアが問う。
「ああ、多分そうだ。年齢も千を越えてたしな」
斑は良いやつだったな。少なくとも人類の敵には成らないだろう。
「人類の味方。協力は仰げませんか?」
「敵対はしないだろうが、協力は難しいだろうな。今の人類には興味は無いと言っていた」
愧火の一件は斑の気まぐれか、あいつの中の例外なのだろう。
「残念です〝天聖時代〟を生き延びた古強者が味方になってくだされば、頼もしいこの上無かったのですが……」
凄く残念そうなソフィアは酒を呷る。
「まあ、そう言うな。あいつにはあいつの考えがあるんだろう」
でも、何だかあいつ寂しそうだったな。
今度あったら酒でも酌み交わそう。
「ご馳走さまでしたーー!!」
100個はあった揚げパンと数種類の食事をぺろりと平らげたガリレオンが満足そうに叫ぶ。
「ふぅ、満腹満腹」
「ガリー、今の私たちの会話聞いてました?」
「え? 聞いてないけど?」
「ハハハ、いいじゃねぇか。平和で。満腹なのは平和の象徴だ。それを俺は目指してる」
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