第821話 ユグドラシル22
*
「では、お先に失礼します」
「おっさきー!!」
「おう、ゆっくり温まって来な。クレハ、案内は任せたぞ」
「うん! ユキマサ君、任せて!」
ソフィア、ガリレオンに続き、クレハが案内役として風呂場へ向かう。
檜風呂だからな気持ちいい筈だ。
で、残された俺と桜とチェリッシュとシルヴィアはまたしばしの歓談だ。
「チェリッシュ、旅の調子はどうですか?」
最初に口を開いたのはシルヴィアだ。
「俺も気になるな。人類最強の冒険者パーティーの活動とかな」
「そうね〝アルカディア〟に呼ばれたりしたこと以外なら普通の冒険者と何ら変わらないわよ。ギルドで依頼を受けたり、立ち寄った街から頼まれごとをしたり、そんな感じよ」
ベッドに腰かけたチェリッシュが優しげに返事を返す。
「むしろ、私はユキマサ達の旅が気になるわ」
「あ、私もです!」
「うーん、ここん所は指名手配犯だったからな。表沙汰になるようなことはしてないぞ」
「あら、桜ちゃんから聞いた話だと〝ジークア王国〟の奴隷解放とかしてたらしいじゃない」
「あれは単に俺の気に触っただけだ。事後処理も〝聖教会〟がやってくれたしな」
あの国は酷かったな。折角のファンタジー世界の闇だよ、ホント……
「それだけじゃないでしょ。黒芒さんの件とか、確か封印されてた筈よね……?」
「あれも偶然で……デュラハン倒した余波で封印壊しちまって……」
「その話は私も聞いてみたかったです。確かまだクレハお姉さんと二人旅の時の話ですよね?」
「ああ、それで何やかんやで仲間になった」
黒芒の加入は戦力の増量度が桁違いだったな。
俺がいなくてもクレハと桜を安心して預けられるし。こないだの〝アーデルハイト王国〟の一件みたいなことがあれば俺一人で急行しなきゃならないからなぁ。
「何やかんだでって……黒芒さん程の、しかも〝幻霊種〟が仲間になるなんて稀なんてことじゃないわよ」
「確か人類の中で最も少ない種族だったか? 星から生まれるとか何とか素敵なファンタジックな奴らだと認識している」
「素敵なファンタジックですか? ふふ、面白いことを言いますね」
クスクスとシルヴィアが笑う。
ツボったのか少し長めに。
「今度はこっちから質問だ。チェリッシュは一番若いのにリーダーなんだな。ガリレオンとかソフィアとは世紀単位で離れてるだろ? 実力も見たところどっこいどっこいだ。あ、気に触ったなら謝るぞ」
「別に気に触って無いわよ。前任のリーダーが控えめに言って最強でね。一番弟子だった私に白羽の矢が立ったってワケよ。ガリーもソフィもリーダーはごめんって言ってたから消去法でもあるんだけどね」
少し照れくさそうにチェリッシュはそう言った。
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