第820話 ユグドラシル21
*
黒芒が目覚めて1時間後ぐらい、わいわいと談笑の中、シルヴィアが口を開いた。
「完全に日が落ちる前に水浴びに行きませんか?」
「水浴びってことは風呂か?」
「はい、そうですよ」
「なら俺たちの家の風呂を使ったらどうだ?」
「俺たちの家の風呂とは?」
「そのまんまの意味だ。具体的には〝アイテムストレージ〟に家が入ってる。その家の中に風呂があってな? 檜の浴槽もある、お湯を張って入ると良い。温かくて気持ちいいぞ」
「お湯に入るのですか!?」
「俺の生まれた国では普通だ。騙されたと思って入ってみないか?」
欧米でもそうだが、浴槽に入る習慣が無いと高確率で入浴は犬猿される。
「私も最初は驚きましたが、とっても気持ちいいんですよ!」
すかさずクレハのフォローが入る。ナイスだ。
「はいはーい! 僕入ってみたい!」
いち早く乗り気なのはガリレオンだ。
「温かいお湯ですか、冷え症な私にはピッタリですね。私も入りたいです」
意外にも次点で乗り気なのはソフィアだった。
「二人は決まりだな。クレハと桜に案内して貰うと良い。シルヴィア、チェリッシュ、お前らはどうする?」
「では、私もお願いします」
「迷惑じゃなきゃ私も入ってみたいわ」
二人も乗ってきた。何か嬉しいな。
*
王宮の外に〝アイテムストレージ〟から家を取り出し、皆で中に入る。
「お湯張ってるから少し待ってろ」
お湯を張ってる間、しばしの談笑タイムだ。
ちなみに人数分の椅子は無いため、不足分は一回の二つあるベッドに腰かけて貰う。
黒芒は狭いと言う理由で俺の影の中だ。
「いい家ね。私たちも欲しいわ」
「あー、分かる。これがあれば僕たちもたまに野宿せずに住むしね」
「お風呂、お手洗い付きって言うのも素敵ですね」
〝スマイル〟には家は好評らしい。
「そう言われると悪い気はしないな」
すると、コンコンコンと控えめなノックが家に響く。
「失礼いたします。シルヴィア様、バスタオルをお持ちいたしました〝スマイル〟のみなさんユキマサ様一行もお使いください」
「あら、ありがとう。使わせて貰うわ」
現れたのは侍女だった。丁寧にシルヴィアにバスタオルを渡している。
そうこうしている内に湯がたまる。
「そろそろ良さそうだな。クレハ、案内してやってくれ。ガリレオン、ソフィアお前たちから入れ」
女子勢6名で入れないこともないが流石に狭いと思い、俺はクレハ、ガリレオン、ソフィア組と、シルヴィア、チェリッシュ、桜の組で風呂の時間を分ける。
一番風呂がどうのとは言わないだろうしな。
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