第812話 ユグドラシル13
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ガリレオンの強い熱望もあり、取り敢えず〝スマイル一行〟はソフィアの家で食事を取ることにした。
「ふあぁ♪ うまそー!! いただきます!」
「ちょっとガリー、はしたないわよ」
「お母様、気合いを入れましたね!」
早速、好物の揚げパンに被り付くガリレオンを、全く仕方ないとばかりに見るチェリッシュとマイペースにコーンポタージュをスプーンで掬うソフィアの昼食が始まった。
「それでさ、どうするの? 稗月倖真?」
揚げパンを二つ平らげ、空腹が少し満たされた様子のガリレオンがチェリッシュに問う。
「会ってみないと分からないわ。目と目を合わせて、しっかり話をしないと」
シチューを食べながらチェリッシュは真剣に話す。
どうも何か引っ掛かってる部分があるらしい。
「ソフィはどう思う?」
今度はチェリッシュがコーンポタージュにコッペパンを染みさせて食べるソフィアに問う。
「和解が出来るならそれに越したことは無いでしょうが、例え話しがで来たとしても果たしてどうなるかまでは分かりません」
「そうよね〝ユグドラシル〟が案下に支持することを決めたと思えないけど、世間での稗月倖真は賛否両論よ」
チェリッシュの表情は険しい。人類最強の冒険者パーティーのリーダーとして、どう判断するかは勝敗を分けるに等しい重みがある。
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「「「ご馳走さまでした!」」」
テーブルに盛られた料理をペロリと平らげた〝スマイル一行〟は、改めてソフィアの母に感謝する。
「お粗末様でした」
ソフィアの母は綺麗に空になったお皿を見て満足そうに笑う。誰だってそうだ。自分の手料理を完食して貰えればとても嬉しい。
「さあ、お腹も一杯になったことだし。件の稗月倖真を探しに行くわよ!」
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〝ユグドラシル〟ラムネの湧く泉周辺
「そーいや、シルヴィア。この街の警備はどうなってる? 見た所、兵士に〝二つ名持ち〟級の奴は見当たらなかったぞ。どの国にも一人二人はいたのに」
「大丈夫ですよ。戦力はしっかりあります」
「不思議な話だが、ここに来るまでに二人実力者を見た。でも、そいつらは兵士ではなく八百屋の主人と畑を耕す爺さんだった。これは偶然か?」
「流石ですね。彼らを見破りますか。この国の戦力部隊は通称〝ジェスト〟普段は身を隠し潜伏しています。彼らは何処にでもいて何処にもいない。八百屋の店主だったり畑を耕すお爺さんだったりします。国の者は正体を知ってますが、外から来た者は正体を知りません。故に悪さは出来ないのです。しても直ぐに〝ジェスト〟が駆け付けます」
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