第808話 ユグドラシル9
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シルヴィアはひと目につかないように深緑色のロングローブを羽織った。どうもお忍びでお出かけの際はこのローブを被るらしい。
ノアも変装してたしな。有名人も大変だな。
そう言う俺も今や金貨一万枚の指名手配犯でしたね……俺もフード付きマント被っとこ。
「よし、行こうぜ!」
俺のその言葉にクレハと桜、シルヴィアが続く。まあ、先頭はシルヴィアだから俺が続く形になるのか。
「シルヴィア、話しがてら質問していいか?」
「ええ、大丈夫ですよ」
「あの空のミニ太陽は何だ? ここが洞窟の中何て今でも半信半疑だぞ」
「あれはドットマダム家に伝わる魔法です。夜は月が出て、あ、時折雨が降ったりします」
要するに人工太陽ってワケか、いや魔法だから人工じゃないのか? ん? 頭が整理付かなくなって来たぞ。流石は異世界だ。
「てことは、常に魔法を行使してるワケだろ? 魔力とか持つのか?」
シルヴィアの魔力量は中の上って所だ。
「流石に得意分野ですよ。我々ハイエルフは魔力のキャパこそ少なくとも魔力の回復に至っては群を抜いてます」
「なるほどな」
つまり、例えば1分間に消費する魔力より、1分間に回復する魔力のが多いってワケだ。
それならキャパが少なくても魔法を使い続けられる。
「あの、魔物とかは出ないんですか?」
恐る恐るに桜が手をあげ質問する。
「この都市は自然が多いのでそういった心配をされる方がいますが、魔物は出ませんよ。まあ、こう言った物はありますが」
スッと、首に下がるアクセサリーみたいな物をシルヴィアは見せてくる。
「〝封印石〟です。ここには〝原始の白アリア〟が、封印されてます」
「おい、いいのか? そんな風に持ち歩いて。確か〝シルフディート〟じゃあ厳重に保管されてたが?」
「ふふ、裏をかいての作戦です。まさか〝原始の六龍〟を首から下げて持ち歩いてるとは思わないでしょ?」
イタズラ気にシルヴィアは笑う。
首から六龍下げて歩いてる王族は異世界広しと言えどシルヴィアぐらいのものだろう。
「バレたら、その手の奴等には親のかたきぐらいには狙われるだろうが、まあ裏はかいてるな」
そんな話しをしながら歩いてると、街が見えてくる。露店外に入ると俺は米、すなわちエルフ米を探す。
「おい、シルヴィア、エルフ米はどこで買える?」
「慌てないでください。この先にありますよ」
「おう、悪い。少し興奮した。落ち着くぜ」
「ユキマサ君、よければお肉も買っていい?」
「クレハがねだるとは珍しいな、勿論だ。俺の〝アイテムストレージ〟に入ってれば腐らないからどっさり買おうぜ!」
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