第805話 ユグドラシル6
「なるほど。合点がいったよ。あの場の全員の口を塞ぐのはできなかったからな」
たまたま〝魔王襲撃〟に居合わせたってのは中々に災難だが、無事帰れたならよかったか。
「私たち〝ドットマダム家〟と〝アーデルハイト家〟は代々親身にさせて貰ってるの。対に〝シルフディート家〟とは犬猿の仲なのよ」
「まあ、悪い所だけじゃないが、あのエルフの国にはガッカリだったな」
「ユキマサさん、あなたは〝シルフディート〟で何を見ましたか?」
「悪い所だと腐った権力と時代外れな政略結婚と黒龍と魔王信仰を少し」
「黒龍と言うと〝原始の黒ウルスラ〟の復活は事実ですか!?」
まさかと、ばかりに目を見開くシルヴィア。
ジュンとユリィも顔を険しくしてる。
「封印を破壊したのは魔王信仰のNo.2のシリュウ・ブラックだがな。復活自体は事実だ」
「あっちゃ、シアナさんが押し黙る筈だ。大失態だよ。理由はどうであれ国が二つ三つ滅んでおかしくない事態だからね」
あれは強かったなー。技の練習になったけど。
「それでウルスラはユキマサさんが倒してくれたんですか?」
「倒したというか、瀕死に追い込んだのは俺だが、再封印をしたのはシアナだ」
「あのウルスラを瀕死に……」
唖然とするシルヴィア。
「そんなユキマサさんを何で指名手配を? 国家襲撃は大罪ですが、ウルスラの一件を考えるとお釣りが来ますよ? 噂では〝魔王ガリアペスト〟を撃ち取ったのもあなただとか?」
「まあどうであれ国家襲撃と花嫁泥棒は事実だしな。ウルスラの一件がどれ程のものか俺は知らないが、裏ではたぶん〝最高貴族〟が、絡んでる」
「なるほど。あの豚共が」
余程因縁があるのか所々に口が悪いなシルヴィア。
「やっぱり私はユキマサさん派だな。お父様、お母様いいですか?」
何かの確認を取るとジュンとユリィは優しく頷いた。
「ここに宣言します。我ら〝ドットマダム家〟並びに〝ユグドラシル〟はユキマサさんを支持し指名手配書の撤回を求めます!」
「おいおい、そりゃありがたいが……そんな簡単に決めちまっていいのか?」
「はい、もう決めました!」
「僕たちもシルヴィアには賛同だよ。ね、ユリィ」
「えぇ、勿論ですわ」
ジュンとユリィも俺に協力的だ。
初めてエルフの国に好感を持ったよ。
「ありがとう。その言葉に恥じない行動を心掛けるよ」
とは、言ったもの……具体的にどうということは無いんだよな。
むしろ、さっきシルヴィアの水浴びを覗いちまったことで罪が重くなったまである。事故だけど!
★★★★★★作者からのお願い★★★★★★
作品を読んで下さり本当にありがとうございます!
・面白い
・続きが気になる
・異世界が好きだ
などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!
(また、既に評価、ブックマーク、感想、いいねをいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)
★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!
長々と失礼しました!
何卒よろしくお願いします!




