第804話 ユグドラシル5
*
「黒芒、眠いだろうが、少しだけでいい。お前も御相伴に預かっていけ。食を共にするのはとても良いことだ」
「主様がそう言うならば仕方ないの。御相伴に預かるぞ」
軽く談笑をしながら料理を待つ。
「それにしてもまさか本当にあの〝千妖〟様を部下にしてるとは、流石の僕も驚きを隠せないよ」
「部下じゃねぇよ、仲間だ」
「あらでも、主様って?」
「それはこいつが勝手に呼んでるだけだ」
そんな他愛もない会話をしながら30分ほどで料理が出てきた。
料理長と思わしき男性エルフがあらわれ、丁寧に料理の説明をしてくれた。
月あさりのシチュー、白黒豚の角煮、金色鮎の塩焼き、ソルディミッソナパタ(サラダ)、わかめの塩スープ、空豚のベーコンと太陽トマトのバケット。そして念願のコヌフラッチョス、卵は虹鶏とのことだ。
「にしても人数の割に量が多くはないか?」
学校給食の四倍近い量がある。バケットだけで100はありそうだし。
「残った料理は使用人たちが食べて良いことなってるの、王族と食を共にするという〝アーデルハイト王国〟の素敵な習慣に本図いているの」
「へぇ、そりゃいい。俺もあの習慣は大好きだ」
「ふふ、私も大好きよ」
「そーいや〝アーデルハイト王国〟で思いだしたんだが、この国にシルヴィって奴はいるか?」
アリスに『シルヴィによろしくなのです』と、言われていたのを思いだし、俺はシルヴィアに同う。名前的にシルヴィアの縁者っぽいしな、姉か妹とか。
「はい。いますよ。何でしょうか?」
「いや、用ってほどのことじゃないんだが、アリスがシルヴィによろしく伝えてくれって言われてるんだ。顔くらい見ておこうと思ってな。会えるか?」
「ふふ、もう見てるよ? 私がシルヴィ」
「?」
「渾名だよ。渾名。シルヴィアだからシルヴィ。親しい友人は私のことはシルヴィって呼ぶの」
あー、渾名かその線もあったな。
安直だが、良い渾名だと思うよ。
「じゃあ、アリスとは仲良いんだな」
「うん、とっても。だから友人としてもユキマサさんにはお礼を言わないとなんだ。先日の〝魔王襲撃の件〟アリスを助けてくれてありがとう」
「何故、俺だと? ジャンの計らいで新聞には俺のことは伏せられてた筈だが?」
俺は眉をよせシルヴィアに問いかける。
「あ、そんなこと? 簡単な話しだよ。当事者に聞いたからね。ウチの国の住人がたまたま居合わせてね。ユキマサさんたちが町の復旧や怪我人の治療をしてくれたことは、直ぐ私の耳に入ったよ」
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