第800話 ユグドラシル
正面突破で行くか、と考えてたら。
くいくい、と可愛くクレハに袖を捕まれた。
「ユキマサ君あれなら私の〝空間移動〟で何とかなるかも」
「まじか! 是非頼む!」
クレハの〝空間移動〟のユニークスキルは黙視の圏内で使える。そして門の先は見えている。イケるぞ!
そして生きてるものは触れていれば一緒に移動できる。ということで、俺とクレハと桜は手を繋ぎ、クレハのユニークスキルでヒュン、パッ! と、軽々と最難関の門番を突破する。
「クレハ助かったぜ! ありがとな!」
「うん、どういたしまして」
洞窟の中はとにかく広い。東京ドーム何百個分もあるぞ!
てか、太陽あるんだけど……どういうことなの?
「ちょっと様子見てくる。おい、黒芒悪いが少し起きろ。桜の影に移動しろ」
「何じゃ、妾はまだ眠い」
何かあった時のために黒芒を桜とクレハの護衛に残し、俺は辺りを見て回る。
「じゃあ、行って来るぜ!」
「あ、ユキマサ君ちょっと!」
「大丈夫だ。直ぐ戻る」
そう言い残し俺はまずはとりあえず高い所に登る。50mはある高い崖だ。
崖を境にあったのは、
「湖? いや、川か。流れてるし」
でっかい川が流れていた。ミリアの湖よりデカイなこれが地下に流れてるというのだから驚きだ。地底湖ならぬ地底川だな。
ドスン……
(ん? ドスン?)
「て、うおっ!?」
俺の立っていた足場が崩れた。
それにより俺は川の方へと落下する。
まあ、いいか。一水浴びるか! 洞窟の中の天気? はいいし。
ドバン!! と、川に落下した俺は思いの外、深い川を泳ぐ。
「冷た気持ちいいな! 流れ速いけど!」
流れに身を任せ流されて行くといつの間にか足が着く程の浅瀬に流れ着いていた。
そのまま陸に上がる為、浅瀬を進んでいくと、
「ッ!?」
「は……」
目があったその人物は俺と目が合うと目をぱちくりとさせた。
水浴び中だったらしいエルフの美しい女性は素っ裸、まっ裸だった。
下半身は水面に胸の要所は長い銀髪で見えなかったが、素っ裸の女性を見てしまったのには変わりはない。
向こうも予想外だったらしくピッタリと固まっている。
「わ、悪い!! 怪しいものじゃないんだ!」
とは言ったもの……金貨一万枚の賞金首の俺は十二分に、怪しいものだった。
そっと目をそらし、どうなったかなと、チラッとエルフの方を見ると、もうそこにはエルフの姿は無かった。
幻だったのか? いや、異世界で裸のエルフの幻を見るほど俺の欲求レベルは高くないぞ!
取り敢えず川から出るか、冷えてきたし。
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